研究課題
セラミックスナノコンポジットは機能性材料あるいは構造用材料として多くの応用が期待されている新材料である。これらの作製法は主にナノ粒子の混合物を精密に焼成する方法に依っているが、我々は融体急冷法によるナノコンポジット作製法を開発している。本研究では、Al_2O_3-TiO_2-ZrO_2系の融体急冷によるセラミックスナノコンポジットの探求に於いて、新しい化合物を見出した。この化合物は、Al_6Ti_2O_<13>という組成を持つ準安定相であり、高温融体から生成するが、1400℃でアニールするとβ-Al_2TiO_5とTiO_2相に分解する。単結晶構造解析と精密リートベルト解析によって結晶構造を決定したところ、本化合物はC軸に沿って配列した三角両錘と強く変型した酸素八面体の二重鎖から成る構造を有していることが明らかになった。これ以外の準安定相や非晶質の形成とそれらの熱安定性についても検討を行っている。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (1件)
Acta Crystallogr., Sect.C : Cryst. Struct. Commun. 61[3]
ページ: I35-i38