• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

大気-積雪系放射伝達モデルの高精度化、及び雪氷圏リモートセンシングへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 03J00206
研究機関筑波大学

研究代表者

谷川 朋範  筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード大気-積雪系放射伝達 / 積雪分光測定 / 雪氷放射学 / 雪氷圏リモートセンシング / 積雪不純物 / 積雪粒径 / 非球形粒子 / 数値計算
研究概要

本研究の目的は衛星搭載光学センサから積雪物理量を推定するために用いられている積雪放射伝達モデルの高精度化にある.積雪アルベド,反射率は近年高精度のモデル化が行われるようになり,積雪物理量との対応関係も分かってきた。しかし,これらのモデルは積雪粒子を球と仮定しており,実際の雪の結晶形態が十分反映されていないため,衛星データから得られる積雪物理量に誤差が含まれている可能性がある。そこで本研究では積雪粒子の光学特性を明らかにするために,防災科学技術研究所長岡雪氷防災研究所新庄支所,雪氷防災実験棟において,氷球状と樹枝状の人工積雪の分光測定を行い,積雪放射伝達モデルと比較した。
測定に用いた個々の氷球状の粒子の直径は20-60μm以下であった。この積雪に対して分光測定を行い,波長別アルベドを測定した。氷球状の積雪粒子に対して,粒子を球形に仮定した積雪放射伝達モデルと比較したところ,氷球状の積雪粒子の大きさはモデル計算から直径約40μm以下と推定され,この値は測定結果とほぼ一致した。
一方,樹枝状の積雪粒子も同様に波長別アルベドを測定し,積雪放射伝達モデルと比較を行った。測定に用いた樹枝状結晶の直径は約500μm,枝の太さは約20-60μmである。樹枝状粒子の波長別アルベドは,積雪粒子の大きさが異なるにもかかわらず,氷球状の積雪粒子の波長別アルベドとほぼ同じ結果が得られた。この現象を再現するため,積雪粒子に円柱を仮定して非球形効果を取り入れた積雪放射伝達モデルを用いて計算したところ,樹枝状粒子の波長別アルベドは樹枝状結晶の枝の太さ関係していることが明らかになった.また,非球形粒子の体積と表面積の比が球のそれと等しいとき,樹枝状結晶の光学特性は球の光学特性にほぼ等しくなることが明らかになった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tomonori TANIKAWA: "Validation of Algorithm to Retrieve Snow Grain Size and Impurities Using Airborne Multispectral Scanner Data of Eastern Hokkaido"Science Reports of the Institute of Geosciences, University of Tsukuba. A24. 71-86 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi