研究概要 |
報告者は、平成15年6月14日の「宗教と社会」学会第11回学術大会の研究発表において、「イスラーム家族法と女性-イブラーヒーム・カイスィーの見解を中心に-]というタイトルで、イスラーム法学者であるカイスィーの著作をもとに家族法において女性がどのように規定されているかについて検討した。 平成15年7月9日から8月27日には、科学研究補助費を利用して、タイおよびエジプトで調査を行なった。特にエジプトでは、カイロ・アメリカン大学Equal Opportunity and Affirmative Action Assistant Director, Sherifa el-Tabei氏、al-Mahkmat al-Dusturiyat al-'Uliya(エジプト最高憲法裁判所)Tahany el-Gibaly判事、アズハル大学Amna Nosseir教授など知識人、および、アイン・シャムス大学学生や一般の人々に、現代のエジプトにおけるイスラーム家族法とその女性との関係についてインタビューを行なった。また、筑波大学歴史・人類学系川西宏幸教授が中心となって行なっている中エジプトアコリス遺跡を訪ね、都市であるカイロとは大きく異なる農村(メニヤ県テヘネ村)において家族法がどのように実践されているのかについて調査した。エジプト滞在中は、日本学術振興会カイロ研究連絡センターに度々訪れ、センター長や研究者と交流を行なった。 このような現地調査結果をもとに、平成15年9月4日の日本宗教学会第62回学術大会において、「現代におけるイスラーム法と女性-エジプト身分法改定を例に-」というタイトルで研究発表を行なった。
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