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2004 年度 実績報告書

生体内金属酵素のモデル錯体の構築および機能の評価

研究課題

研究課題/領域番号 03J00762
研究機関名古屋大学

研究代表者

砂田 祐輔  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードニトロゲナーゼ / P-Cluster / 金属酵素 / [8Fe-7S]クラスター / 電子伝達 / チオラート
研究概要

ニトロゲナーゼ内に存在する金属酵素P-Clusterのモデル錯体の構築として、我々が既に合成に成功しているP-Clusterと極めて類似の骨格を有する[8Fe-7S]クラスターである[{N(SiMe_3)_2}{SC(NMe_2)_2}Fe_4S_3]_2(μ_6-S){μ-N(SiMe_3)}_2(1)を出発原料として用い、その配位子交換反応により、天然に存在するP-Clusterにより骨格の近いクラスターの構築を目指した。すなわち、クラスター(1)は、その中心骨格は天然のものとよく一致しているが、2つの鉄上に中性配位子であるテトラメチルチオウレアを有しており、アニオン性硫黄ドナーであるシステインを有する天然のクラスターと比べると明らかに異なっているため、この部位をアニオン性硫黄ドナーへと置換し、より完成度の高いモデルクラスターの構築を試みた。種々条件を検討した結果、錯体(1)と様々なチオラート塩を低温下、フルオロベンゼン中で穏やかに反応させることにより、目的とするジアニオンのクラスターを単離、同定することに成功し、X線構造解析による構造決定を行った。このクラスターは、現在知られているFe-Sクラスターにおいて、P-Clusterのモデル錯体として最も完成度の高いものである。また、得られたクラスターの電気化学的特性について検討すべく、Cyclic Voltammetryを測定した結果、二段階の可逆な一電子酸化還元過程が見られた。天然のP-Clusterは、蛋白内において電子伝達を司ると考えられているが、本結果はその機能を無機化学的に証明したものであり、意義深いと言える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2003

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of the P-Cluster Inorganic Core of Nitrogenases2003

    • 著者名/発表者名
      Y.Ohki et al.
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society No.14

      ページ: 4052-4053

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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