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2003 年度 実績報告書

インターネットの利用が社会生活に与える影響-社会関係資本の観点から-

研究課題

研究課題/領域番号 03J00863
研究機関名古屋大学

研究代表者

五十嵐 祐  名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード社会心理学 / メディア・電子ネットワーク / 社会的ネットワーク / CMC
研究概要

本研究は、インターネットを利用したメディアコミュニケーションが社会生活に与える影響を、社会関係資本(social capital)の概念を用いて多面的に検討することを目的とする。平成15年度は、(1)社会関係資本およびインターネット上のコミュニケーションに関する文献の精読、(2)対面の社会的ネットワークと携帯メールの社会的ネットワークとの構造的差異に関する縦断的検討を行った。文献の精読から、社会関係資本における社会的ネットワークの重要性と、インターネットのコミュニケーションの特徴が新たな社会的ネットワークを創出し、新たな社会関係資本を生み出す可能性が示唆された。また、メディアコミュニケーションの利用が対人関係を希薄にするのではなく、むしろ選択的な関係の形成を促す、という松田(2000)の選択的関係論に基づき、大学新入生のクラスを対象に社会的ネットワークの変化に関する縦断的な検討を行った。その結果、携帯メールの対人ネットワークは、対面のみのネットワークよりも友人数が少なく、親密度が高く評定されていた。また、社会的ネットワーク分析によるクラス全体のネットワーク構造についての検討では、対面の対人ネットワークでは三者間の関係を中心に発展していくのに対し、携帯メールの対人ネットワークでは二者間の関係が持続的であることが明らかとなった。これらの結果は、選択的関係論の妥当性を支持するものであり、メディアコミュニケーションの利用が対人関係を親密にし、社会関係資本の増大をもたらす可能性を示唆する。なお、本研究の成果は、学術論文および国際学会、国内学会で発表されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 五十嵐 祐, 吉田 俊和: "大学新入生の携帯メール利用が入学後の孤独感に与える影響"心理学研究. 74(4). 379-385 (2003)

  • [文献書誌] 五十嵐 祐: "メディアの利用スタイルに関する探索的研究:情報探求性尺度の作成と大学生のメディア利用の実態について"名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 50. 285-292 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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