住民参加型地域振興の計画内容を「総合-構想型」「総合-事業型」「施設-構想型」「施設-事業型」の4つに分類し、これらの並び方と前後の計画内容との繋がり強さの観点から、地域特性を表現した。 並び方として「構想先行型」「事業先行型」「分離・並行型」の3つを挙げ、「栃木県ふれあいの郷づくり事業」や「ふるさとルネッサンス事業」の指定を受け、ワークショップによる計画策定を行った11の事例により検証した。この結果、如何なる地域特性においても、同じワークショップ手法を用いても一定の成果を上げるものの、「構想先行型」「事業先行型」「分離・並行型」によって、ワークショップを適用する目的が異なってくることを明らかにした。具体的には、「構想先行型」では啓発、「事業先行型」では計画作り、「分離・並行型」では学習の要素が増す。 前後の計画内容との繋がり強さをみるために、「栃木県ふれあいの郷づくり事業」「農村アメニティワークショップ事業」「高齢化対応活動促進事業」を事例とし、それぞれを、「強結合」「弱結合」「結合なし」のケースとして比較検証を行った。強結合の場合、実現可能性の高い計画策定が可能であるが、長期的な視野を積極的に導入する必要が出てくる。弱結合の場合、ゲーム性が高く楽しく計画作りができるワークショップの企画が可能であるが、実現性や住民らの責任については不確さが増す。結合なしの場合は、広い視野、長期スパンの計画も可能であるが、一過性のイベントで終わる可能性も高い。 以上、2つの視点により地域特性ごとのワークショップ適用手法を検証したところ、明らかな差を見出すことができた。また、この結果が、ワークショップを用いた住民参加型地域振興に関係する組織が、どの様なネットワークを築き上げるべきか今後検証していくための足がかりとなった。今後、この足がかりをもとに、関連組織のネットワーク化を仮説立て検証していく。
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