研究概要 |
1.聴覚環境におけるプリファレンスと脳波や脳磁図の対応に関する研究では,解析に自己相関関数が用いられ,有効継続時間が心理的プリファレンスと対応することが明らかにされている.自己相関関数はあるチャンネル内の変動に注目するものであり,ここでは各チャンネル間の相関を求めるため相互相関関数の解析を行った.その結果,プリファレンスの高い刺激を堤示したときの方が低い刺激を提示したときと比べて,相互相関関数の最大値は有意に大きくなる傾向が見られた.これらの成果をまとめて,Journal of Temporal Design in Architecture and the Environmentに投稿した. 2.視覚環境におけるプリファレンスと脳波に関する研究では,水平・垂直方向に正弦振動する刺激を用い心理的プリファレンスを測定し,約1秒周期が心理的に最も好ましいことを明らかにした.脳波実験の結果,プリファレンスの高い刺激を提示したときの方が低い刺激を提示したときに比べて,自己相関関数の有効継続時間は長くなり,相互相関関数の最大値は有意に大きくなる傾向が見られた.これらの成果をまとめて,Journal of Temporal Design in Architecture and the Environmentに投稿した. 3.聴覚環境における不快感と脳磁図に関する研究では,帯域ノイズを用い,その帯域幅を変化させたときの,心理的不快感と関連する脳磁界反応を測定した.その結果,心理的不快感と脳磁図のα波帯域の自己相関関数の有効継続時間,相互相関関数の最大値の間に逆相関関係が見られた.これらの成果をまとめて,国際騒音シンポジウムや国際人間工学会にて発表し,Journal of Sound and Vibrationに投稿した.
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