本年度は、集中的に組織のアカウンタビリティという活動の重要性を重視しながら、研究をすすめた。 2004年7月の北京における国際社会学機構(IIS)では、"Parsons and Organization Theory"、同月の神戸会議では"New Norms in contemporary Organizations"とそれぞれ題した英語での報告を行い、ヨーロッパ圏の研究者とアカウンタビリティという概念について意見交換を行った。 また、従来の日本における組織社会学の発展をみるなかで、組織のメタ理論が欠けていたことが、今日の組織研究の衰退を導いたという主張を行い、「組織のメタ理論--日本の組織社会学に欠けていたもの」と題し、雑誌に投稿、受理された。 ついで、機能主義と解釈主義という組織研究での二大理論から組織目的概念を再検討することを継続して行い、その研究成果を「続・組織目的概念の学説史的(再)検討--機能主義でも解釈主義でもなく」という論考にまとめ、雑誌に投稿、受理された。 そして、熊本大学にて行われた日本社会学会のセッション「産業・労働・組織」にて、「組織戦略概念への社会学的アプローチ組織アイデンティティ論を手がかりに」という題目にて、研究発表を行った。また、現代人類学研究会にてコメンテーターとして参加し、経営人類学と組織社会学のあいだで意見交換を行い重要な知見を獲得できた。 さらには、福井県敦賀市に現地調査におもむき、原子力発電所のアカウンタビリティを考える上で重要である原子力科学館の対比調査を行った。
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