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2004 年度 実績報告書

サポートの互恵性と精神的健康との関連に対する個人内及び個人間発達の影響

研究課題

研究課題/領域番号 03J02519
研究機関岡山大学

研究代表者

谷口 弘一  岡山大学, 教育学部, 特別研究員(PD) (20411051)

キーワードソーシャルサポート / 互恵性 / ストレス反応 / 個人内発達 / 個人間発達 / 友人関係
研究概要

本年度の研究では、まず第一に、昨年度に引き続いて、サポートの互恵性と精神的健康との関連に対する個人内発達の影響プロセスを検討した。友人関係の付き合い方の発達的変化に着目し、異なる年齢層の複数の友人関係を対象にして、特定の友人関係における互恵性と当該の人が営む友人関係全体での互恵性が、それぞれ精神的健康とどのように関連しているかを検討した。小・中・高校を対象にして、親密度が異なる3名の友人を挙げてもらい、それぞれの友人とのサポート授受について調査を行った。分析の結果は以下の通りであった。
1,特定の友人関係におけるサポートの互恵性と精神的健康
小学生と中学生では、親密度が異なる3名の友人におけるサポートの互恵性は、いずれもストレス反応と有意な関連を持っていなかった。一方、高校生では、親密度が最も高い友人と中程度の友人におけるサポートの互恵性が、ストレス反応と有意な関連を持つことが示された。サポートの互恵性とストレス反応との関連は、U字型の2次関係であった。
2,友人関係全体におけるサポートの互恵性と精神的健康
小学生と中学生では、友人関係全体におけるサポートの互恵性は、ストレス反応と有意な関連を持っていなかった。一方、高校生では、友人関係全体におけるサポートの互恵性が、ストレス反応と有意な2次関係を持つことが明らかとなった。
次に、サポートの互恵性と精神的健康との関連に対する個人間発達の影響プロセスを検討した。友人関係の進展に伴って、サポートの互恵性に対する短期的な視点と長期的な視点がどのように変換するかについて、大学生を対象にした縦断的調査を行った。友人関係の進展過程に関しては、特に、関係形成の初期に焦点を当て、知り合って1週間後、2週間後、4週間後、1ヶ月後の合計4回に渡って調査を実施した。分析の結果は以下の通りであった。
知り合って1週間後、2週間後、4週間後の時点では、友人関係におけるサポートの互恵性と精神的健康との間には有意な関連が認められなかったが、1ヶ月後の時点では、両者の間に有意な2次関係が認められるようになった。
今後の研究では、こうした互恵性に関する視点の変化が、児童期と青年期の友人関係では異なる様相を呈するかどうかについて、小・中・高校生を対象にした縦断的調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] サポートの互恵性と精神的健康との関連に対する個人内発達の影響-利得不足志向性及び利得過剰志向性の発達的変化-2005

    • 著者名/発表者名
      谷口 弘一
    • 雑誌名

      対人社会心理学研究 5(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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