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2004 年度 実績報告書

17世紀ローマのカンタータ史研究

研究課題

研究課題/領域番号 03J02782
研究機関東京芸術大学

研究代表者

佐々木 なおみ  東京芸術大学, 音楽学部, 日本学術振興会特別研究員PD

キーワードカンタータ / ローマ / 17世紀
研究概要

バロック時代最大の声楽ジャンルであるカンタータは、17世紀ローマを中心に発展し、ヨーロッパ全土の音楽に影響を与えたが、その活動の実態はほとんど解明されていない。本研究はローマのバルベリーニ家、キージ家、同地に移住したスウェーデン女王クリスティーナによる音楽保護活動に基づいて、カンタータの歴史的展開を明らかにするものである。
科学研究費補助金により平成16年10月31日〜11月21日までの22日間に、ヴァチカン教皇庁図書館に多数所蔵されている3つの宮廷に関する史料の調査を行った。今回はバルベリーニ家とキージ家のみならず、フェッライオーリ家、ルスポリ家にも対象を広げ、これらの宮廷が所蔵した詩集、カンタータ写本、ならびにオペラ総譜のレパートリーを調査した。その結果カンタータの歌詞の献呈方法、音楽作品の収集方法、写譜の目的を一部の例ではあるが具体的に論じることが可能となった。また多数の写本に残された作品例から、当時人気の詩人や作曲家、作品等も併せて明らかになり、宮廷の雇用・支払い記録、貴族の書簡からは、宮廷における様々な職種と貴族間の交友関係を理解することができた。このように17世紀ローマにおけるカンタータの諸活動の一端が浮き彫りになった。
クリスティーナの音楽保護活動については、現在、周辺的な問題から検討を進めている。その一つとしてローマの作曲家に関するこれまでの調査から、彼女の宮廷に専属的に仕えた音楽家は少なく、大半は他の貴族から一時的に借りられていた可能性を指摘することができる。また、ローマでは貴族家庭出身の枢機卿たちが芸術活動に多大な影響力を持ち、彼ら自身が芸術家を保護していたという事実から、今後は貴族家庭そのものばかりでなく、個々の枢機卿にも着目して考察を進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 図書 (1件)

  • [図書] アントニオ・チェスティのカンタータ創作に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      佐々木 なおみ
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      東京:コンテンツワークス社

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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