研究概要 |
我々は一次視覚野におけるsize tuning特性および、文脈依存性について以下の実験をおこなった。1)GABAa拮抗剤bicuculineを皮質内に局所投与し、受容野周辺抑制に皮質内抑制の関与がみられるかどうかを検討した。また、文脈依存効果についても同様の実験で皮質内抑制の関与について検討した。その結果、皮質内抑制は受容野周辺抑制及び皮質文脈依存効果のいずれについても、関与の程度が低いことが示された。この結果はOzeki H, Sadakane O, Akasaki T, Naito T, Shimegi S, Sato H. Journal of Neuroscience 2004 24(6) 1423-38として報告された。2)受容野周辺抑制に選択的な皮質内結合について、相互相関法を用いて検討した結果、全体として選択性は弱かった。しかし、4層において受容野周辺からの抑制が非常に強い細胞及び弱い細胞は2/3層に選択的な投射をおこなっていることが明らかになった。この結果は北米神経科学会において発表され、現在投稿準備中である。3)皮質細胞及び視床外側膝状体の細胞について、受容野外からの、文脈依存的修飾の程度を定量的に解析した。その結果、視床外側膝状体に皮質細胞に匹敵する文脈依存的修飾効果を示す細胞が多数認められた。この結果は北米神経科学会2004において発表予定であり、現在投稿準備中である。
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