研究課題
・透過型CCDの開発次期X線天文衛星NeXT搭載用透過型CCDの開発を行なった。我々は軟X線に感度が高く位置・エネルギー分解能に優れるX線CCDを上段に、硬X線検出器を下段におくことで広帯域撮像・分光能力を備えたNeXT用焦点面検出器(WXI)を開発している。(1)昨年度開発した透過型CCDと市販のCdTe検出器(硬X線検出器)を組み合わせたWXIプロトタイプを製作し、両検出器で予定どおりのX線検出能力が達成できていることを確認した。(2)よりX線検出感度の高い透過型CCD(N型CCD)の開発を国立天文台・浜松ホトニクス社等と共同で進め、懸案となっていた電荷転送効率の大幅な改善に成功した。(3)透過型CCDを衛星上で支持・冷却するためのFocal Plane Assembly熱機械モデルの設計・試作を行なった。(4)上記成果を国内外の学会で発表した。・銀河中心高エネルギー活動の研究銀河中心高エネルギー現象の起源解明を目指し、主に大質量星形成領域の観測的研究を進めた。(1)銀河中心にある大質量星形成領域アーチーズ星団に付随する中性鉄輝線の起源が、「外部X線源による光電離による蛍光」か「外部電子源による衝突電離による蛍光」か、という問題は銀河中心高エネルギー活動の起源を考える上で大変重要であるため今日も大きな議論となっている。私はASCA、Chandra衛星のアーカイブデータを基に、Astro-E2搭載XRS検出器を用いることで鉄輝線より軽い中性元素輝線の有無判定により両シナリオの可否検定が出来ることを、シミュレーション等により示した。研究責任者としてX線天文衛星「Astro-E2」に観測提案し、採択された。(2)Chandra衛星アーカイブデータ解析により銀河中心近傍から多数の非熱的X線フィラメントを発見し、学会発表を行った(共著者)。
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Nuclear Inst.and Methods in Physics Research, A (発表予定)