電子情報空間上において都市の探訪を可能にさせる新しい情報提供システムとして、ランドマーク(認知的に顕著な目標物)ならびに、ディストリクト(特徴的な地域)を中心とした地域情報ナビゲーションシステムの実装を進めている。人間の都市空間認知において中核的な役割を果たすランドマークとディストリクトを、ウェブマイニングの手法を用いて抽出し、それに関連する意味情報を視覚的なインタフェース上で表示させることができる。人間の手で編集された既存のガイドブックあるいは地域ポータルサイトの持つ使いやすさを自動的に構築できる情報提供システムの実現に向けて、開発を行っている。現在までの実装では、ウェブクローラによって収集されたページ集合に対してマイニングアルゴリズムを適用し、特徴的なランドマーク、ならびにそのグラフ構造として表現されるディストリクトを抽出している。今後、さらに精密な抽出を行っていくために、ウェブページに対する自然言語解析手法の開発も進めた。結果として得られた電子情報空間における都市の姿、ならびに地域情報ナビゲーションシステムは、インターネットからの情報抽出に関わる国際会議、International Conference on Internet Information Retrieval 2003において発表された。また、韓国航空大学との国際的な提携に基づき、韓国の大半の人口が集まる京畿道を対象地域として、同様のシステムの開発が進められている。
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