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2003 年度 実績報告書

分子状酸素による有機ケイ素化合物のカルボニル化合物への酸化的変換法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 03J05579
研究機関京都大学

研究代表者

近藤 淳一  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード空気酸化 / ラジカル反応 / ビニルシラン / トリエチルボラン / シアノ化 / カルベノイド / 有機銅反応剤 / 1,2-転位
研究概要

(1)シリル置換炭素ラジカルの空気酸化によるカルボニル化合物の合成
α-ケイ素置換ヨウ化アルキルは、ビニルシランとヨウ化アルキルから原子移動型ラジカル付加反応を経由して合成できる。今回、この有機ケイ素化合物をラジカル条件下空気酸化することで対応するアルデヒドに変換できることを明らかにした。様々なヨウ化アルキルから合成したα-ケイ素置換ヨウ化アルキルからシリル置換炭素ラジカルを発生させ、空気中の酸素との反応によりペルオキシド中間体とする。続いてケイ素の転位反応が起こりアルデヒドが生成するというものである。またα位置換型ビニルシランとヨウ化アルキルを出発原料として反応を検討したところ、ラジカル付加反応と空気酸化を水溶媒中で連続して行うことで種々のケトンのワンポット合成が可能であることを明らかにした。以上シリル置換炭素ラジカルを酸素共存下発生させることでカルボニル化合物へ変換できることを明らかにした。
(2)炭素置換基の連続的1,2-転位を利用したシリルジクロロカルベノイドの2官能基化
(1)で述べた空気酸化法において重要な中間体である、シリル置換炭素アニオンの生成法の開発を目的として種々検討をおこなった。まずケイ素置換基で安定化されたジクロロリチウムカルベノイドに対し、グリニャール反応剤とシアン化銅(I)とを2:1で混合して得られる、有機銅反応剤を作用させると高次クプラートを経由して1,2-転位が2回起こり、有機基を2つ有する銅反応剤が得られることをみいだした。一方アルキルリチウムとシアン化銅(I)の2:1混合で得られる有機銅反応剤を用いると、アルキル基とシアノ基が1つずつ入った銅反応剤が得られた。また、2種のグリニャール反応剤とヨウ化銅(I)を適当な順序でこのカルベノイドに作用させると、異なる有機基を一つずつ有する銅反応剤が調製可能であることを明らかにした。これら得られた銅反応剤は種々の求電子剤により捕捉可能であり、また空気酸化することで対応するカルボニル化合物へ変換できることも明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Junichi Kondo: "From Alkenylsilanes to Ketones with Air as the Oxidant"Angew.Chem.Int.Ed.. 42・7. 825-827 (2003)

  • [文献書誌] Junichi Kondo: "Consecutive Double 1,2-Migration of Two Different Groups in Silyldichloromethylcuprates"Angew.Chem.Int.Ed.. 43・1. 106-108 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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