研究者は、年度頭に提出した「平成15年度科学研究費補助金(特別研究員奨励費)研究計画調書(特別研究員用)」の平成15年度の研究計画にしたがい、平成15年度における研究活動を行なった。成果は、以下の通りである。 1.スギ花粉症を主題にした経済評価研究を、2003年12月に日本地理学会の機関紙である『地理学評論』に、論説として投稿した。2004年1月に、論文掲載には「多少の修正が必要」との報告を受け、指摘にしたがって投稿論文を再検討した。2004年2月に、「スギ花粉症に関するスギ人工林整備の空間的経済評価-山口県市町村データを利用した距離帯別仮想市場による分析-」というタイトルで、再投稿した。 2.来年度実施予定している自然公園環境の経済評価の実施候補地を再検討し、琵琶湖および琵琶湖集水域について事前情報を収集した。関連して、2004年2月23日に琵琶湖研究所で開催された第22回琵琶湖研究シンポジウム「GISは環境保全・管理に有効か?」に参加した。 3.来年度の調査における分析手法を検討し、その途中成果の中間報告を、「2003年度日本地理学会秋季学術大会(2003年10月11日~15日、岡山大学)」において発表した。報告のタイトルは「棚田の持つ多面的機能の経済的評価手法と地理的分析の視点」とし、環境評価における空間的視点およびGISの活用について報告した。 4.GISを利用した空間的経済評価の研究事例として、森林ボランティアによる里山林管理の問題について事例分析を行なった。この研究内容に関しで、「2004年度日本地理学会春季学術大会(2004年3月27~28日、東京経済大学)」において、「森林ボランティアによる里山林管理の空間的経済評価-兵庫県中町奥中「観音の森」の事例分析-」というタイトルで、報告する予定である。 上記の学会報告の成果は、来年度順次論文として成果を報告する予定である。
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