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2005 年度 実績報告書

モーフィング技法による顔の感性印象の実験計量心理学的検討と感性福祉への応用

研究課題

研究課題/領域番号 03J07281
研究機関東北大学

研究代表者

伊師 華江  東北大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード顔 / 印象 / 表情 / 動画提示 / 静止画提示 / 感性福祉
研究概要

研究1では,モーフィング動画像を用いて,顔の印象評定に与える動きの影響を実験的に検討した.まず表情表出過程に着目し,笑顔の提示方法(動画・静止画),提示時間(1033ms・233ms)、笑顔強度(90%・120%)を組み合わせて顔刺激を作成し,印象評定を行った.その結果,動画提示でのみ,操作した笑顔強度の効果が笑顔の美感印象評価に反映されることが示された。本成果は,Tohoku Pschologica Folia誌に論文として掲載が決定している.次に表情戻り過程に着目し,笑顔と怒り顔の提示方法(動画・切替),変化のタイプ(笑顔→中立・中立のみ・怒り→中立)の組み合わせで顔刺激を作成し,中立顔の印象評定を行った.その結果,動画提示でのみ,中立顔の印象は,笑顔から変化した場合により怖い印象へ,怒り顔から変化した場合により優しい印象へとシフトした.本成果は,第三回日本顔学会において発表された.以上から,笑顔などの特定の時空間的な物理的な操作が,顔の印象評価にポジティブな影響をもたらすことが示された.
また,研究2では,顔に障害(口唇裂・口蓋裂)を抱える方たちの笑顔の印象特性を調べる心理実験を行った.自発的に表出された笑顔と中立顔を用いて顔の印象評定を行った結果,笑顔表出場面において顔の印象がよりポジティブに評価され,笑顔が印象に及ぼす効果の頑健性が示された.顔の障害を目立たなくさせようとする努力が,表情抑制につながる可能性が指摘されているが,本研究結果から,笑顔などの表情表出を積極的に行うことによってポジティブな印象が創出される可能性が実験的に示された.
研究1,2の成果を踏まえて,表情表出速度や表情強度を操作した動画像を用いて,観察者にポジティブな印象を与える最適な表情表出速度や最適表情表出強度などを,自覚的に学習させる表情表出トレーニング方法などの感性福祉的応用が考えられた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Effects of the Dynamic Presentation of Smile on the Evaluation of Various Impressions of Face2006

    • 著者名/発表者名
      伊師 華江
    • 雑誌名

      Tohoku Psychologica Folia 64(In press)

  • [雑誌論文] 口唇裂口蓋裂者の表出した笑顔に対する認知2005

    • 著者名/発表者名
      真覚 健
    • 雑誌名

      電子情報通信学会 信学技法 HIP2005-90

      ページ: 57-62

  • [雑誌論文] 動画を用いた表情オフセット時の視覚的慣性効果2005

    • 著者名/発表者名
      伊師 華江
    • 雑誌名

      日本顔学会誌 5

      ページ: 163

  • [雑誌論文] 顔画像からの年齢判断2005

    • 著者名/発表者名
      伊師 華江
    • 雑誌名

      日本認知心理学会第3回大会論文集

      ページ: 60

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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