まず調査については、本年度全体にわたる福岡大空襲の慰霊行事のフィールドワークを中心として、8月の広島市と長崎市における両国立原爆死没者追悼平和祈念館のフィールドワークと資料調査、9月の姫路市の太平洋戦全国戦災都市空爆死歿者慰霊塔のフィールドワークと姫路市平和祈念館における資料調査、1月末の鹿児島での空襲慰霊と特攻隊慰霊に関するフィードワーク・資料調査、2月末の福岡県大刀洗町における太刀洗陸軍航空学校跡地のフィールドワークなどを行った。 他方で成果発表に関しては、裏面記載の論文執筆・論文集編集に加え、以下の口頭発表を行なった。「戦後慰霊をめぐる状況-政府の遺骨収集事業を中心に」(国立歴史民俗博物館資料調査委員会第28回会議、2003年6月)、「長崎くんちにおける「神事」と「観光」のアンテクスト」(西日本宗教学会第33回学術大会(福岡大学)、2003年7月)、「戦争死者儀礼の系譜的理解のために」(日本宗教学会第62回学術大会(天理大学)、2003年9月)、'Symbiosis or Segregation?:dealing with the "foreign"in Nagasaki'(国際会議"CULTURE AND HEGEMONY : Politics of Culture in the Age of Globalisation"(ハイデルベルク大学)、2003年10月) また、2004年3月現在に進行中の作業として、九州大学文学部比較宗教学研究室から刊行予定の福岡大空襲の慰霊行事に関する報告書の編集と、その公共性に関する論文を執筆している。
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