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2003 年度 実績報告書

雌の究極的な退化を伴うミノガ科の多様性に関する系統進化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03J07615
研究機関九州大学

研究代表者

杉本 美華  九州大学, 熱帯農学研究センター, 特別研究員(PD)

キーワード鱗翅目 / ミノガ科 / 形態退化 / 生活様式 / 系統進化学 / 分子系統学
研究概要

これまで蓄積した東アジアのミノガ科の標本に基づいて得た形態及び生態データをまとめ、5つの新属新種について系統学的な論文を完成又は執筆中である。そのうちの1種は、春の調査で新たな生息場所を発見し、不足していた生態データを得るため飼育し、生態的知見も含めた系統分類学の論文を作成し、Entomological Scienceに投稿中である。この論文の一部を10月の日本昆虫学会大会にて発表した。また日本産未記載のEumasia属2種の論文もTineaに投稿した。
早春から晩秋にかけて南九州中心に国内で材料収集及び現地調査を行った。得た幼虫個体の大半は飼育して生態等のデータを収集し、また翌年度の実験材料として成虫を得る作業を行った。これらの中には新属新種又は新種が含まれており、系統分類学的な考察を行うために詳細な生態データ収集と成虫を得るための慎重な飼育を行っている。飼育で得た成虫の一部は分子系統解析用の試料にした。
11月下旬から国外の資料収集の為に、タイとベトナムでの現地調査を行い、生息場所、幼虫の摂食行動の観察、蛹化及び羽化状況の調査等を行った。すでに成虫が羽化したミノや幼虫の死亡したミノ等は回収して標本とし、生きた幼虫の一部は形態解析用または分子系統解析用の試料にした。
また岡崎国立共同研究機構内にある基礎生物学研究所にて、分子系統解析の技術面の指導を受け、来年度以降につながる予備実験を行った。現在は国内産Diplodoma属群について形態形質と生態・行動形質をまとめており、今後、分子系統解析の実験を行い、その結果を加えて系統進化学的な考察を行い、研究成果の一部を8月にオーストラリアで開催される国際昆虫学会議で発表すると共に、論文執筆に取りかかる予定である。次年度は飼育により得られた成虫から形態データを収集すると共に、分子系統解析を本格に始める。また不足している材料収集を行いながら、実験等で得られた研究成果を国内外の学会大会や論文等にして発表を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 杉本美華, 三枝豊平: "ミノガ科Diplodoma属群に含まれる2新属について(鱗翅目)"日本昆虫学会第63回大会講演要旨集. 26 (2003)

  • [文献書誌] 三枝豊平, 杉本美華: "日本産ミノガ科Eumasia属の研究(鱗翅目)"日本昆虫学会第63回大会講演要旨集. 26 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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