IL-1やLPS、TNFαがストレスシグナルを伝達し活性酸素を生成することはよく知られている。その一部はセカンドメッセンジャーとして作用し蛋白質キナーゼASK1等の活性化を担っているとされる。NAD(P)H酸化酵素は細胞内で主要な活性酸素生成酵素と考えられる。その活性化にはGTP結合タンパク質であるRacが必要であるとされるが、TNFαによってRacが活性化されるという証拠はない。しかしTRAF分子がこのような活性化の鍵を担っていることは明らかである。本研究ではまずLPS受容体やTNFα受容体の下流にあるTRAF6に会合する分子をクローニングした。本分子は特にインターフェロンγによって強く誘導された。マクロファージ細胞株Raw細胞を用いた過剰発現系ではLPSのシグナルを減弱させ、TNFやNOの産生を抑制した。また逆にRNAiを用いた発現抑制の系ではIFNγによるLPSシグナルの抑制が軽度であった。以上の結果より本新規遺伝子かサイトカインによって誘導されLPSのシグナルをmodulateする分子であることが明かとなった。今後本遺伝子がどうのような分子機構でTRAF6のシグナルを抑制するのか分子レベルでの解明を行っていく。
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