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2003 年度 実績報告書

核融合炉第一壁再堆積層形成におけるトリチウムの移行挙動

研究課題

研究課題/領域番号 03J07759
研究機関九州大学

研究代表者

片山 一成  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 特別研究員(DC2)

キーワード核融合炉第一壁 / グラファイト再堆積層 / タングステン再堆積層 / RFプラズマ / トリチウムインベントリー
研究概要

D-T核融合炉建設にあたっては、炉内に保有されるトリチウム量の多寡、トリチウム安全管理技術の確立が最終的な社会的受容を決定すると考えられる。本研究は、化学工学的反応工学の観点からD-T核融合炉プラズマ対向壁におけるトリチウムインベントリーの評価、トリチウム挙動の把握及びトリチウムから見た材料の評価を行おうとするものである。
本年度は、RF水素プラズマによるスパッタリング現象を利用して、核融合炉第一壁候補材料である等方性グラファイト及びタングステン再堆積層を作成し、再堆積層内水素捕捉量の定量を行った。
1.本実験で得られたグラファイト再堆積層内の水素捕捉量(アトム比H/C)は、プラズマ条件により0.1-0.45と変化した。この値は、グラファイトベルクへの水素溶解度に比べはるかに大きく、再堆積層の形成が炉内トリチウムインベントリーを増大させることを改めて示唆した。また、再堆積層から水素を放出させるには、1000K程度の高温加熱が必要であり、炉内でのトリチウムの加熱放出は困難であることを指摘した。また、等方性グラファイトと再堆積層を同時にプラズマに曝し、損耗速度を定量したところ、再堆積層の損耗速度が一桁大きいことが明らかとなった。またその際、再堆積層内の水素はカーボンよりも速く放出される傾向が観測されたが、トリチウム放電洗浄の有効性については、さらに研究が必要である。
2.タングステンは、他の第一壁候補材料に比べ水素溶解度が小さいといわれているが、本研究においてタングステン再堆積層を作成したところ、その内部には多量の水素が捕捉される事が明らかとなった。しかし、捕捉された水素は600K程度で速やかに放出されるため、第一壁温度を600K以上に設定する事でトリチウムインベントリーを低減できる事を指摘した。再堆積層内への水素・捕捉機構の解明のため重なる研究が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 片山一成: "Formation of graphite re-deposition layer by hydrogen RF plasma"Thin Solid Films. 未定. (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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