マイクロサテライトマーカーの開発を磁性粒子の使用による濃縮法で行った。3つのライブラリーから907クローンの塩基配列を決定した。各ライブラリー内部でのユニークなクローンの割合は64.2-93.1%で3つのライブラリー全体では60.6%であった。合計193プライマー対を設計し、84プライマー対のPCR条件を決定してマイクロサテライトマーカーとした。家系の親間で多型を調査したところ32個のマーカーが連鎖解析に利用できることが判明した。 AFLPマーカーを解析するための実験条件の検討を行った。DNAを制限酵素EcoRIで消化後にTru9Iで消化した。アダプターの連結とPCRは定法に従った。キャピラリー電気泳動装置によるPCR産物の解析にはPCR産物をエタノール沈殿後、電気泳動に供することにより行った。電気泳動で使用するサイズスタンダードはサクラソウのAFLPによって得られるDNA断片をクローニングして用いる方法を確立した。サクラソウのAFLPは23プライマー対を使用して717個のDNA断片について多型を調べた結果、47個のAFLPが連鎖解析に利用できることが判明した。 連鎖地図構築用に育成された家系の各個体からDNAを抽出し、32個のマイクロサテライトと47個のAFLPマーカーの遺伝子型を決定した。JoinMapソフトウェアを使用して連鎖解析を行った結果、10個の連鎖群からなる317cMの連鎖地図が構築された。
|