• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

漁労中における漁船の運動性能および安全性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03J09593
研究機関大阪府立大学

研究代表者

黒田 貴子  大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード船体に働く漂流力 / 漂流運動する船舶の横揺れ / 損傷時復原性 / 浸水中間段階 / 内部区画構造 / 最大横傾斜角 / 最大横傾斜角発生時間 / 最終段階到達時間
研究概要

船舶の漂流運動は漂流速度が波の速度に比べて遅いため,船体運動への影響は一般的に無視される.しかし荒天中では船体の漂流速度は増加し出会い周波数を変化させ,その結果横揺れ同調を高周波数側に移行させることがある.このような荒れた海象下での船舶の耐航性能は船の安全性にも影響を及ぼす.漂流運動と連成した横揺れ振幅を推定する手法を導くために,船体に働く漂流力を,3次元模型船を用いて実験を行った.漂流力は船の横揺れおよび上下揺れ同調周波数域で極大値を持ち,周波数が高くなるに伴い,増加する.計測した漂流力の特性から漂流抗力係数をクーリガン・カーペンター数で表し,ストリップ法を用いて漂流速度と横揺れ振幅を推定する手法を導いた.今後荒天下における漂流する船舶の安全性,転覆確率の検討などが求められる.
荒れた海象下では船舶が損傷を受ける確率も高くなる,船舶の安全基準を協議する国際機関IMOでは現在,巨大客船の損傷時生存可能性について共同研究が行われている.The Ship Stability Research Center (SSRC, Universities of Glasgow and Strathclyde)で開発中の損傷船舶の姿勢を時系列でシミュレーションするプログラム"PROTEUS"を用いて大阪府立大学にて実施された模型実験を計算し,比較検討を行った.模型実験では大型客船の特徴である複雑な内部区画構造を再現し,平水中での損傷後の船体姿勢変化,経過時間の計測を行っている.結果を比較した結果,中間段階における最大横傾斜角および全体の姿勢変化の傾向はほどよく一致するものの,最大横傾斜発生時間及び最終段階到達時間が実験結果に比べて著しく早く,計算に用いている損傷口および内部の各区画問の流量係数に問題があることが分かった.また模型実験では船体姿勢変化の応答曲線が滑らかであるが,本ツールでは非損傷時の横揺れ減衰力を用いているため浸水が始まった後の応答変化が激しくなっている.損傷時の船体姿勢を精度よく推定するためには損傷時の横揺れ減衰力を考慮することも重要であることが分かった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Nonlinear Drift Motion of a Ship in Heavy Beam Seas2004

    • 著者名/発表者名
      黒田貴子, 池田良穂
    • 雑誌名

      The 14^<th> International Offshore and Polar Engineering conference Vol.3

      ページ: 463-470

  • [雑誌論文] Transient Flooding on Large Passenger Ships2004

    • 著者名/発表者名
      Dracos Vassalos, 池田良穂, Andrzej Jasionowski, 黒田貴子
    • 雑誌名

      The 7^<th> International Ship Stability Workshop

      ページ: 1-10

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi