研究概要 |
1.疫学研究において身体活動量を定量可能な標準的な評価方法の確立 昨年度に引き続き、身体活動質問紙(JALSPAQ)と加速度計の両ツールを使用した身体活動量評価を地域住民(n=360)を対象に行った。今年度は、加速度計(4秒ごとの活動をメモリー可能)による評価に力を入れ、地域の住民健診でのデータ収集や、自治体での健康教育の場面で使用し、1ヶ月間の長期装着データを得た。これにより、平均的な活動量を評価するための必要日数の検討や4秒データにもとづく運動実施時の消費エネルギー量の検討を行った。また、昨年度の課題であったフィールドでの運用方法、対象者への結果のフィードバック方法、健康教育に活用するツールについても参加者の評価を得ながら検討を行い、基本的な方法を構築した。 2.疫学研究ベースライン調査における身体活動評価(質問紙による) 日本動脈硬化予防研究基金・統合研究ベースライン調査として実施された身体活動調査の登録作業ならびに解析作業を行った。2005年2月末現在、59,600件の登録が完了し、2005年3月末に登録を完了する他のベースラインデータ(形態指標、血液検査、他の生活習慣)とあわせた検討が行えるよう現在データベース化を進めている。次年度は、このデータベースをもとに対象集団の身体活動量を記述的にまとめるとともに、リスクファクターとの関連を検討する予定である。 3.地域で実施されている短期健康増進プログラムの評価 地域におけるpopulation basedの健康増進プログラムを実施するため、健康推進委員、食生活推進委員など健康づくりのリーダー的役割を担う人達を対象に、予備的調査を実施した。今後予定されているプログラムの一部を体験してもらう会や、プログラムの有用性や地域での運営方法について意見交換を行う会を開催し、来年度の実施に向けての基礎資料を得た。
|