1.本年度最大の企画であったドイツでの博士論文『マックス・ヴェーバーとポーランド問題』(東大出版会)の出版は日本学術振興会から科研費(研究成果公開促進費)を得て無事十一月に実施された。 2.同論文でのドイツでの出版のために、ドイツ語原稿のドイツ語校閲を行った。その費用は28万円にのぼったが、その大半は科研費(特別研究員奨励費)から拠出した。 3.当初から計画していたドイツへの出張は、七月に実行した。これに対し、予定していた吉野作造計画のための宮城県への出張は、来年度に行うことにした。代わりに、日本アイデンティティ研究として沖縄県への出張(日本平和学会への参加、沖縄文化の見学)を実行した。その費用は、科研費(特別研究員奨励費)から拠出された。 4.ビスマルク及びヴェーバーに関して、科研費(特別研究員奨励費)を活用して研究文献を多く購入することができた。その結果、ビスマルク研究は思っていたよりも長期にわたる探求が必要だという結論に達した。ヴェーバー研究は、購入した研究文献を踏まえつつ、現在東京大学大学院法学政治学研究科に提出予定の博士論文『マックス・ヴェーバーと政治』にその成果をまとめつつある。 5.吉野作造研究は、東大にある莫大な史料をコピーして分析することに着手したが、量がかなりあり、他の研究が入ってきたので中断してしまっている。来年度は丁度5月に政治思想学会が仙台(東北大学)で行われるので、学会出張と抱き合わせで古川に出張し、吉野の生地での取材を行いたいと考えている。なお研究の成果は、最終的には書籍として刊行することを目指すが、差しあたっては『政治思想』に「吉野作造とドイツ」という小品をのせる予定でいる。 6.現代ドイツ・ナショナリズム論「『グローバル化』とドイツ政治」を脱稿したので、近日中に発表する。
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