平成17年度は、前2年間における研究情報の蓄積を前提として、その公表にむけた作業を中心に研究作業をおこなった。 下記11「研究発表」に記載のほか、スペイン史学会月例会、対外史研究会などにおいて口頭報告をおこなった。12月にはリスボン国立古美術館(Museu Nacional Arte Antiga)における「日本に関するポルトガルシンポジウム(Presenca no Japao)」に出席をし、報告をおこなった。その概要は「研究発表」図書欄に記載の「A Presenca Portuguesano Japao nos seculos XVI e XVII」において英文で公表をしている。 上記シンポジウム出席のため、ポルトガルに渡航をし、リスボンのトーレ・ド・トンボ国立文書館、ヴィラ・ヴィソーザ(Vila Vicosa)のドン・マヌエル2世図書館において文献調査をおこなった。前者においては香料貿易・初期中葡関係史料の複写、後者においてはイエズス会士書簡の古刊本を閲覧した。このほかミラノにおいても文献調査を予定していたが、調査予定機関がすべて休業中であったため、実施には至らず、関係書籍の購入、ジェノヴァ・パヴィアの踏査に終止した。 本年度は博士学位申請論文『大航海時代の三国世界』を執筆、提出した。従前から作成を継続してきたアジア関係欧文史料データベースのうち、日本に関係する既刊史料を「日本関係既刊欧文書簡一覧」として末尾に付した。
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