研究課題
まず、近年発見された始原的隕石隕石NWA760の鉱物学的特徴についての研究を行った。原始太陽系進化の初期の段階で生成されたと考えられているアメーボイド・オリビン・アグリゲイツ(AOA)を研究した結果、NWA760は、CVコンドライトの中でも、還元的要素と酸化的要素を併せ持つ隕石であることが明らかになった。また、これまで隕石学の分野で用いられることのなかったElectron Back-scattered Diffraction Measurement (EBSD)を応用した鉱物学的研究を行った。本研究での対象としている、高温凝縮過程を経て形成されたと考えられているAOAやCa, Al含有物(CAI)に含まれる鉱物は細粒であることが多い。細粒の鉱物を観察する際は、走査型電子顕微鏡の反射電子像観察により鉱物を特定する手法が一般的である。始原的隕石に含まれる鉱物は、2次的変成を受けていない為、形成された当時の化学組成を残しているが、これらに含まれる鉱物は、組成が均一であるため、個々の鉱物を特定することは困難であった。本研究において、EBSDを応用し、AOA、CAI、コンドリュールの細粒鉱物のサイズ分布を調べることが可能になった。その結果と鉱物学的特徴と比較することで、成因及びそれぞれの関連性について議論を行った。これらの研究結果を、Meteoritical Society Meeting(2004年7月、ブラジル)、月惑星シンポジウム(2004年8月、神奈川)、36th Lunar and Planetary Science Conference(2005年3月、アメリカ)にて発表を行った。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
Proceedings of the 35th Lunar and Planetary Science Conference (CD-ROM)
ページ: No.1573
Proceedings of the ISAS Lunar and Planetary Science Symposium 37
ページ: 51-54
Meteoritics & Planetary Science 39
ページ: No.5128
Chemie der Erde Geochemistry 64
ページ: 185-282