研究課題
本年度は先ず前年度の研究成果を踏まえ、国際的な建築活動を行なう際に重視すべき構工法を決める与条件を考察、分析した上、それぞれの与条件とそれに対応する構工法の要素との関係図を作成し、さらに構工法の調べ方を一つのアプローチ図表に纏めた。主な研究結果は次の4点がある。1)躯体構法について、地震力の扱い方は主体構造形式の選択だけではなく、各構造部材の構法の設計にも影響を与える重要な与条件である。地震力を考慮しない国々において同一主体構造形式であれば構法の共通点が多い。2)躯体工法の選択について、材料と人件費のコストパフォーマンス及び国の政策が重要な与条件であり、各部位構工法の選択について、地理環境及び生活習慣が重要な与条件である。3)躯体工法は各国で定着されていることが明らかになった。躯体工法は各国の基準法、設計基準又は仕様書から把握することができる。4)各部位構工法と工種別構工法について、各国とも仕様書レベルでは定めがあるが、新しい構工法の採用については厳しい制限がない。中国、韓国、シンガポール、香港、台湾、日本の6カ国・地域について、大学における構工法教育の実態をインタビュー調査、資料調査で明らかにした。また、構工法関連科目の授業内容を比較し、各国間の共通点と相違点を明らかにした。最後に、中国、韓国、シンガポール、日本の4ヶ国において構工法教育が構工法の採用に与える影響を考察した。主な研究結果を次の5点に纏める。1)日本以外の各国では建築デザインと土木のエンジニアリングはそれぞれ独立の専攻として設けられている。2)全ての大学が構法関連科目を設けており、設置学年は2、3年次が多い。3)躯体構法、各部位構法を総合的に取上げる科目は各国とも必修とされており、構法計画は必修と選択の両方がある。4)建築計画専攻では、RC工法が選択科目とされる国がある。5)各国とも本国で使用されている構工法、特に工法を重点的に講じており、構工法教育の面では建築生産国際化への対応が遅れている。
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日本建築学会大会学術講演梗概集
BEAR2006 Construction Sustainability and Innovation, CIBW89-International Conference on Building Education and Research
日本建築学会北海道支部研究報告集
ページ: 489-492
韓国建築学会大会学術講演梗概集-2004年秋
日本建築学会大会学術講演梗概集 F-1
ページ: 1251-1253