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2003 年度 実績報告書

断層破砕帯の生成と動的断層破壊に与える効果

研究課題

研究課題/領域番号 03J10919
研究機関東京大学

研究代表者

安藤 亮輔  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード破壊過程 / 境界積分方程式法 / 断層破砕帯 / スケール則 / 高速計算 / 破壊エネルギー / シミュレーション / 非平面断層
研究概要

本研究の目的は,断層周辺に存在する断層破砕帯の生成過程とその相互作用する微小要素としての振る舞いが断層の巨視的破壊に与えるスケール依存する力学的効果を調べることにある.当初本研究では,連続体モデルと粉粒体モデルの比較を行うという手法を用いることを想定していた.しかしながら本年度に開発した,並列計算アルゴリズムと以下で述べる新しい解析手法により,連続体モデルで扱うことのできる要素数を,従来の予想よりも格段に増加させることが可能となり,多数要素間の相互作用系としての粉粒体的側面も表現可能になったため,今後はこの多数要素からなる連続体モデルを用いて統一的に解析を行う.本連続体モデルでは,第一段階として,主断層面の外側に多数の弱面要素を配置したモデルを構築した.本モデルを用いた解析では,破壊の動的進展に伴い,damage zoneと呼ばれる破砕された領域が徐々に拡大していくパターンが再現された.また,再現されたパターンは自然地震の余震分布とよく一致することも分かった.さらに,断層面外の微小亀裂と主断層が相互作用することにより,主断層の破壊が抑制される傾向にあることも再現された.これは,破壊エネルギーのスケール則を示唆している.上記新しい解析手法では,計算の高速化とメモリ容量の低減が同時に達成できる.それは,以下の原理による.本研究では,数値計算には,境界積分方程式法を用いているが,積分核の計算に最も負荷が掛かり,時間ステップNに対して,N*Nオーダーの計算回数とメモリ容量が必要になる.それを,積分核の漸近展開表現が時空間の分離型になるとの性質を利用すると,N+Nオーダーにまで縮約できる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 安藤亮輔, 山下輝夫: "断層間の動力学的相互作用と断層形状の形成"地震. 56. 1-9 (2003)

  • [文献書誌] R.Ando, T.Tada, T.Yamashita: "Dynamic evolution of a fault system through interactions between fault segments"Journal of Geophysical Research. (発売予定).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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