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2004 年度 実績報告書

断層破砕帯の生成と動的断層破壊に与える効果

研究課題

研究課題/領域番号 03J10919
研究機関東京大学

研究代表者

安藤 亮輔  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード地震破壊 / 断層構成則 / メゾスコピック / 境界積分方程式法 / 断層形状 / ダイナミクス / 断層破砕帯 / 分岐
研究概要

本研究では,断層帯内部の破砕帯も含む複雑な幾何学的構造に地震破壊を理解する鍵があるとの考えの基に,新たにマルチスケール地震破壊モデルという概念とそのための新たな計算手法を導入し,基本的に理解することを試みた.このモデル化では,断層帯の幾何学的内部構造を直接モデル化する必要性から,室内実験スケール以下の微視的スケールから,断層を無限に薄い面と近似できる巨視的スケールまでが,その中間スケールのメゾスコピックを介して多重階層構造になっている.ここで言うメゾスコピックスケールの断層構とは,主断層長よりもはるかに小さな幾何学構造を言う.さらに,それぞれの階層間で,下位階層における物理過程の平均像を上位階層の物理量と物理過程として定式化するという手法を用いる.
マルチスケール地震破壊モデルを用いて,メゾスコピック構造としての断層帯内部構造の形成過程とその幾何学的特徴を考察した.それにより,断層帯に典型的に現れる,飛びと屈曲の構造は,近接した断層が相互作用により結合したために形成されると考えると,自然に理解できる.また,同様に分岐や破砕帯の構造は,主断層が動的に破壊するのに伴って生じる二次的破壊として理解できる.
さらに,本研究では,メゾスコピック断層構造が,巨視的観点から見た断層構成則に与える効果を考察した.その結果,メゾスコピックスケールの断層屈曲や飛びは,巨視的視点から見ると,応力降下量を減少させslip-hardening効果を生じさせる効果を持つことが分かった.また,メゾスコピックスケールの分岐構造は,巨視的視点で見ると臨界滑り量を増加させる効果を持つことも分かった.さらに,メゾスコピックスケールの断層分岐構造の効果により,巨視的視点で記述される破壊エネルギーGcが断層長Lに比例することが分かった.
この研究の成果は,地球惑星関連学会2004年合同大会,日本地震学会2004年秋期大会において発表された.現在,英文誌に投稿準備中である.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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