2004年4月に国際関係論研究会第154回定例研究会において、前年度に調査したウズベキスタンのアンディジャン州のマハッラ(地域共同体)における回転型貯蓄信用講に関する発表を行った。5月初旬に、ウズベキスタンのタシケントの大統領アカデミー高等ビジネス学校において、ウズベキスタンのプライベート・トランスファーの分析に関する発表を行った。また、5月の渡航においては、調査地に赴き、不足データの収集と、9月の調査のための打ち合わせをした。 2004年9月のウズベキスタンにおける調査では、前年度、家計調査を行ったマハッラ(地域共同体)において、親族関係のデータを中心に収集した。近所に居住する親族同士のつながりは密接であり、この関係を見落として家計という単位のみ注目しても、生活水準等の有効な情報が得られないからである。調査は、10数世帯のインフォーマントに対して詳細なインタビューを行った上で、全世帯(500世帯弱)の親族関係のデータを体系的に収集した。また、マハッラの組織構造を検討するために、マハッラにおける有力者達の構成を調査した。 2004年10月に「ウズベキスタンの慣習経済-マハッラの共同体的機能の検討から」が、「アジア研究」に掲載された。2005年4月に、「ウズベキスタンのプライベート・トランスファー(私的資源移転)-社会保障機能の分析」が「アジア経済」に掲載された。
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