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2005 年度 実績報告書

ヒト言語機能の非侵襲的脳イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 03J11952
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

野口 泰基  総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード脳機能イメージング / 言語 / 脳磁図(MEG) / 経頭蓋的磁気刺激(TMS) / 文字認知
研究概要

本研究課題では人の言語能力を司る脳の仕組みを、特に脳磁図や経頭蓋的磁気刺激といった時間分解能に優れた手法によって解明することを目的としてきた。前年度は言語処理の基礎となる文字の認知についての研究を行ったが、今年度はそれをさらに推し進める形で研究を行った。
文字認知における特徴の1つは、それが意識的な認知であるということである。つまり文字を見れば「その文字を見た」という明らかな意識が残り、それは後からでも想起可能なものである。今年度の1つ目の実験では、この文字認知の意識的な側面に関わる脳活動を調べた。つまり同じ文字を提示したときでもそれが意識的に認知されない状況を実験的に作り出し、意識的に認知されるときの脳活動とどこが違うのかを比較・検討した。その結果、文字が意識的に認知されるためには脳の中の腹側視覚野という場所に十分な強さの活動が必要であることが明らかになった。つまり「ある文字を見た」という意識的な感覚は、単に文字に対応する脳の場所の活動が起こればよいわけではなく、その活動が一定の強さ以上にならなければならないことが示された。
我々が言葉を正確に発音するためには、舌の運動をミリ秒単位で正確に制御する必要がある。同じように、時間の感覚は文字認知においても重要な役割を担っている。今年度の2つ目の研究では、このような文字記号の時間認知に関する研究を行った.その結果、時間認知には脳の時間的情報だけではなく、神経活動の強さも関わっていることが明らかになった。つまりある文字の提示時間が時間的に「長い」と感じられるために必要なのは、その文字が持続時間の長い神経活動を引き起こすことではなく、むしろ強い神経活動を引き起こすことである、ということが明らかになった。これらは脳磁図の高い時間分解能を用いて始めて可能になる研究であり、言語認識と時間認識の両方の研究に影響する知見を与えたものと言える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Neural mechanisms of visual backward masking revealed by high-temporal resolution imaging of human brain.2005

    • 著者名/発表者名
      Noguchi Y. et al.
    • 雑誌名

      NeuroImage 27(1)

      ページ: 178-187

  • [雑誌論文] Time representations can be made from non-temporal information in the brain : an MEG study.

    • 著者名/発表者名
      Noguchi Y. et al.
    • 雑誌名

      Cerebral Cortex (印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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