1、La_2Cu_2O_5の単結晶育成 溶媒移動型浮遊帯域溶融法(TSFZ法)によって不純物(LaサイトにEuとY、CuサイトにZn)を少量置換した単結晶の育成を行った。熱伝導率測定が可能である大きさの単結晶を育成することは出来なかった。しかし、帯磁率の測定から反強磁性転移温度が低下していることが分かり、これから不純物の置換可能であることが分かった。 2、La_8Cu7O_<19>の単結晶育成 様々な圧力下の酸素とアルゴン雰囲気中でTSFZ法によって単結晶の育成を行った。La_8Cu7O_<19>相はアルゴン雰囲気下では出現せず、酸素雰囲気下のみで出現した。この結果は今までの報告とは異なっており、TSFZ法によって単結晶育成を行うには酸素雰囲気中で行う必要があることが分かった。 3、CuB_2O_4の単結晶育成 様々な圧力下の酸素とアルゴン雰囲気中で浮遊帯域溶融法(FZ法)によって単結晶の育成を行った。育成中はBの蒸発が激しいため、溶融部分を狭く、育成速度を大きくしなければならないことが分かった。また、溶融部分の粘性が低いため、育成中に溶融部分が一部垂れてしまうため、溶融部分の粘性を大きくする必要があることが分かった。 4、零磁場中熱伝導率測定装置の作製 装置に必要な機器の準備・配線、測定を自動化するプログラムの作製は完了した。標準試料としてステンレスを測定した結果、温度150K以上では、輻射による熱の流出により熱伝導率が正しく測定できないことが分かった。そこで熱伝導率を得られた結果から輻射の影響をバックグラウンドとしてデータ処理して求めるように修正を行っている。
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