研究概要 |
はじめに、AdamanololについてHer2陽性の肺癌に対する動物実験を行うためにAdamanololの大量合成を行った。4,4'-bipiperidineと1-adamantanecarbonyl chlorideをカップリングさせ得られたモノアミド体をさらにpindololとカップリングさせることによってadamanololを約1g合成することができた。これについては現在動物実験中である。 次にAdamanolol類縁体の合成を行った。4-hydroxyindoleとepichlorohydrinをカップリングさせglycidyl 4-indolyl etherへと導いた後isobutylamine, tert-butylamine, ammonia, mono-N-Boc-1,5-pentanediamineと反応させ各種pindolol誘導体を合成した。これらの類縁体から各種adamanolol誘導体を合成した。得られたadamanolol誘導体についてSKBR3(HER2を多く発現している肺癌細胞)、MDA-MB468(HER2を発現していない肺癌細胞)を用いて生物活性試験を行い、以下の結果を得た。 1.iso-pro基をより嵩高いiso-Bu基やtert-Bu基に変えると活性があがる 2.iso-pro基を無くすと活性が無くなる 3.インドール環をTs化することによって化合物の安定性が増し活性があがる。 これらの知見を元にadamanaololの水溶性類縁体であるwrenchnololを設計、合成して、生物活性試験を行ったところ、水溶性であるにもかかわらず、adamanololと同程度の活性があることが確かめられた。これについては大量合成して現在動物実験中である。
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