研究概要 |
AQUA/AIRSセンサーの赤外波長域にサウンダーデータを用いて、非線形最適化手法による水蒸気の鉛直分布の推定法を研究する。 天底型のサウンダーで観測される放射輝度直すと I_λ=I_<0,λ>exp[-τ_λ(P_s,ρ_s)]+∫^∞_0B_λ(T) (∂exp[-τ_λ(p,ρ] )/(∂p)dp となる。ここで(∂exp[-τ_λ(p,ρ] )/(∂p)は荷重関数で呼ばれ、波長の異なる複数の水蒸気吸収バンドで計測する放射輝度はその関数のピークの高度の水蒸気吸収の寄与を受けたものである。ゆえに、複数の高度の水蒸気量が計測できる。本研究では、AQUA/AIRSセンサーに複数の水蒸気吸収バンドのサウンダーデータを用い、非静力学モデルNHMから抽出する水蒸気などの情報をシミュレーションデータとして、非線形最適化手法による水蒸気量の鉛直分布の推定を提案した。すなわち、(I_λ-I^*_λ)^2<ε。さらに、全域最適解を得られるため、シミュレーテッドアニーリング法を非線形最適化手法として選択した。MODTRAN4にシミュレーションデータにおける荷重関数の計算結果にみると、吸収係数が大きく、または赤外の波長が小さくなると、その荷重関数のピークの高度が高くなることが分かった。また、水蒸気量及び気温がAQUA/AIRSセンサーに受けた放射輝度I_<TOA>に影響が異なるから、感度解析を行った。結果として、6.7、7.3、7.5μmの各々赤外波長における、海面気温が1-3Kに変わるとI_<TOA>が1-5\%に変化し、相対湿度が10-30%に変わると、I_<TOA>が2-12%に変化することが分かった。 今後シミュレーテッドアニーリング法による、サウンダーデータを用い水蒸気量の鉛直分布の推定を行う。
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