研究概要 |
CANDLE燃焼制御方式とは,原子炉の炉心の軸方向を燃焼領域が特性変化無しに自律的に移動するという燃焼方式である 本研究では1,CANDLE燃焼制御方式のブロック型高温ガス炉への適用成立性と成立条件の調査 2,実効微視的核定数の変化による核特性への影響 3,兵器級プルトニウムの焼却への応用 4,燃焼度,温度分布の核特性への影響 5,時間依存解析(定常運転時・起動・停止・出力変動時の模擬,起動炉心の構築) 6,燃料配置の最適化による高燃焼度化 7,安全解析の方法論の構築と検討を行い,最終的にはより現実的で特性の優れた炉心の設計をすることが目的である.平成15年度は計画通り4,5,6を行い,結果を得ることが出来た. 4について,温度分布に関しては燃焼領域移動方向に対して冷却材を向流にするか,並流にするかで安全面への影響から非常に興味深い結果が得られ,燃焼度に関してはその効果の有無で大きな違いが生じ,そこで新たな解析方法論を構築し,検討した.これらに関しては来年度の2つの国際会議において発表することが決定している. 5について,時間依存解析の方法論を構築し,解析コードを作成し解析した.定常運転を模擬した結果,定常状態解析結果とほとんど差が無く,定常状態解析の信頼性が確認された.出力変動においては,キセノンの影響などが解析された.また初期炉心の構築において,定常状態の核種分布を参考に人工的に炉心を構築し,初期反応度の除去を解析的な限界まで行った.これらは今春の日本原子力学会において発表予定である. 6について,従来燃料カーネル内に混入していた可燃性毒物を黒鉛ブロック内に混入することで可燃性毒物の装荷量を減らし,燃焼度を上昇させる事が出来ると考え,NR近似で燃料セル計算を行い,調査したところ,燃焼度はやや向上した. 平成16年度は,7の結果から更なる最適化を追求していく予定である.
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