1993 年度実績報告書

気候変動がシベリア永久凍土地域の凍土圏・生物圏に与える影響の研究

研究課題

研究課題/領域番号	04041014
研究機関	北海道大学
研究代表者	福田正己北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
研究分担者	A. Arkhangel モスクワ大学, 地理学部, 準教授 I. Ivanov ロシア科学アカデミー, ヤクーツク生物研究所, 教授 V. Kunitsky ロシア科学アカデミー, ヤクーツク永久凍土研究所, 教授高久元北海道大学, 理学部, 助手 (40236203) 佐藤利幸北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (00154071) 渡部英昭北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (10167190) 高橋英樹北海道大学, 農学部, 助教授 (70142700) 西城潔東北大学, 理学部, 助手 (00241513)
キーワード	永久凍土 / 気候変動 / 地球温暖化 / メタンガス / 地下氷 / タイガ / ツンドラ / 氷期-間氷期
研究概要	(1) 現地調査今年度の調査は、凍土班・生物班に分かれて東シベリア地域の永久凍土地域で現地研究分担者と共同で実施した。凍土班は7月はじめからレナ川下流地域と北極海の新シベリア諸島での永久凍土中の地下氷(エドマ層)の成因と形成環境に関する現地調査を行った。生物班はタイガ帯からツンドラ帯への移行帯(エコトーン)を中心とした、植物及び動物生態の分類調査を実施した。特に凍土班は、いままで永久凍土研究の空白地域であった、新シベリア諸島に相手側分担者の特別の措置によって立ち入ることが出来た。 (2) 新たに得られた知見凍土班は新シベリア諸島での地下氷の採取と周辺地形及び堆積物分析を集中的に行った。その結果、この地下氷が2.5-4万年前のいわゆるカルギンスキー亜間氷期に形成されたことがあきらかになった。さらに氷には現在の大気の1000倍の濃度のメタンガスが含まれていることがわかった。その成因は安定炭素同位体比から、現在と類似のツンドラ環境下でのメタン細菌による有機物分解過程であることが推定された。また最近の地球温暖化のため永久凍土の融解が進行し、氷に閉じこめられていたメタンガスが大気に放出する量を世界ではじめて見積もることが出来た。生物班はツンドラ-タイガ移行帯の植物群落とその下の土中昆虫の分類調査を行い、特にショウジョウバエの分類から、従来報告のない、新種を発見した。 (3) 成果報告 2月に相手側研究分担者を札幌へ招聘し、合同のワークショップを開催した。また、1月に筑波で開催された合同シンポジウムにおいても各研究者が成果を公表した。

研究成果

(12件)

すべてその他

すべて文献書誌 (12件)

[文献書誌] 福田正己: "シベリアで何が起っているか-日本・ロシア共同永久凍土調査-" 極地. 58. 1-5 (1994)
[文献書誌] T.Nakayama: "Effects of climatic wormisy on the active layer" proc.of Sith International conf.of Permafrost. 1. 488-493 (1993)
[文献書誌] M.Fukuda: "Methave flux from melting edoma" Nature. (予定). (1994)
[文献書誌] M.Fukuda: "Methaue concentrction in Ice-wedge of Fox Turml" Holoceve. (予定). (1994)
[文献書誌] G.Takaku: "Phoretic mites collated on ground beetles in sakha" J.of Acarological Soc.Japan. 20. 17-21 (1994)
[文献書誌] T.Sato: "Scoling anelysis from tropic to tundra and concluding remark" Proc.Inter.Biological Congh. 421-423 (1993)
[文献書誌] 渡部英昭: "シベリア産のショウジョウバエの細胞遺伝的研究(I)" 昆虫学会誌. (予定). (1994)
[文献書誌] 渡部英昭: "中国遼寧省のショウジョウバエ相" 北海道教育大学紀要. 44. 1-13 (1993)
[文献書誌] M.Fukuda: "Occurrence and Genesis of Ice complex in easlern Siberia" Proc.Second Siberian Permefrost Study between Japan and Russia. 8-16 (1994)
[文献書誌] A.Narita: "Structural Characteristics of Ice Complex in Siberia" Proc.Second Siberian Permefrost Study between Japan and Russia. 17-23 (1994)
[文献書誌] 福田正己: "シベリアとアラスカの自然" 東京大学出版会 (予定), (1994)
[文献書誌] 福田正己: "シベリア-自然とひと-" 北海道大学図書刊行会 (予定),

1993 年度 実績報告書

気候変動がシベリア永久凍土地域の凍土圏・生物圏に与える影響の研究

研究代表者

福田 正己 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)

研究成果

[文献書誌] 福田正己: "シベリアで何が起っているか-日本・ロシア共同永久凍土調査-" 極地. 58. 1-5 (1994)

[文献書誌] T.Nakayama: "Effects of climatic wormisy on the active layer" proc.of Sith International conf.of Permafrost. 1. 488-493 (1993)

[文献書誌] M.Fukuda: "Methave flux from melting edoma" Nature. (予定). (1994)

[文献書誌] M.Fukuda: "Methaue concentrction in Ice-wedge of Fox Turml" Holoceve. (予定). (1994)

[文献書誌] G.Takaku: "Phoretic mites collated on ground beetles in sakha" J.of Acarological Soc.Japan. 20. 17-21 (1994)

[文献書誌] T.Sato: "Scoling anelysis from tropic to tundra and concluding remark" Proc.Inter.Biological Congh. 421-423 (1993)

[文献書誌] 渡部英昭: "シベリア産のショウジョウバエの細胞遺伝的研究(I)" 昆虫学会誌. (予定). (1994)

[文献書誌] 渡部英昭: "中国遼寧省のショウジョウバエ相" 北海道教育大学紀要. 44. 1-13 (1993)

[文献書誌] M.Fukuda: "Occurrence and Genesis of Ice complex in easlern Siberia" Proc.Second Siberian Permefrost Study between Japan and Russia. 8-16 (1994)

[文献書誌] A.Narita: "Structural Characteristics of Ice Complex in Siberia" Proc.Second Siberian Permefrost Study between Japan and Russia. 17-23 (1994)

[文献書誌] 福田正己: "シベリアとアラスカの自然" 東京大学出版会 (予定), (1994)

[文献書誌] 福田正己: "シベリア-自然とひと-" 北海道大学図書刊行会 (予定),

1993 年度実績報告書

福田正己北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)