研究課題/領域番号 |
04041048
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
太田 陽子 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (80017714)
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研究分担者 |
PANDOLFI J オーストラリア海洋研究所, 研究員
BERRYNMAN K ニュージーランド地質調査所, 地殻変動室, 研究員
PILLANS B ビクトリア大学, 地球科学, 講師
CHAPPELL J オーストラリア国立大学, 太平洋研究部門, 教授
松田 伸也 琉球大学, 教育学部, 講師 (30157317)
中森 亨 東北大学, 理学部, 助手 (00192229)
大村 明雄 金沢大学, 理学部, 助教授 (70019488)
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キーワード | パプアニューギニア / 第四紀中・後期 / サンゴ礁段丘 / 海面変化 / 地殻変動 / 古地震 / 年代測定 / 古環境解析 |
研究概要 |
パプアニューギニア北東部、ヒュオン半島のサンゴ礁段丘において現地調査(事前・事後の諸調査を含む)によって、以下の資料と知見を得た。1)空中写真判讀と地形調査に基づいて延長約50Kmの海岸地域のサンゴ礁段丘の地形分類図を完成した。2)地震隆起を示す細分された完新世段丘群を従来より多くの場所において確認し、詳細図を作成し、年代測定試料を得た。また更新世段丘からも海面変化では説明できない多数の段丘を見出し、地震隆起が更新世にも遡ることを明らかにした。3)様々な規模の崩壊地とそれに由来する堆積物を見出し、崩壊地分布の地域性と年代、サンゴ礁段丘との関係についての新知見を得た。また活断層の性格についての資料を得た。4)古気候推定に必要な同位体測定のための試料(シャコガイ)を多くの段丘から採取した。5)現成および段丘の造礁サンゴ群集・石灰藻群集の分析により、サンゴ礁生成時の水深・環境を推定できる見通りが得られた。6)年代測定に適したサンゴ化石を約150個採取した。これらは段丘IからX1に達する各段丘から得られ、最終氷期から約40万年前までの段丘の年代を決定できる見通しがある。 1),2),3)の資料は、地殻変動の量や活動史、古地震の時期とその広がりなどの推定に役立つ。4),5),6)の資料から、古気候、年代,海面変化に関する新しい情報が得られる。 得られた試・資料はすでに各研究分担者によって分析が始められている。これらの資料から、第四紀後期の海面変化の模式地とされているヒュオン半島において、従来より長期にわたるサンゴ礁段丘の形成史を確立し、第四紀中期以降の海面・環境変化史と、地殻変動史、両者のかかわりが解明される見通しが得られた。
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