研究課題/領域番号 |
04041054
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
勝野 眞吾 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (70098523)
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研究分担者 |
高橋 浩之 山形大学, 教育学部, 助教授 (20197172)
和田 清 国立精神神経センター, 精神保健研究所薬物依存研究部・向精神薬研究室, 室長 (70220952)
清水 新二 国立精神神経センター, 精神保健研究所システム開発研究室, 室長 (40113493)
小沼 杏坪 国立下総療養所, 精神科, 医長
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キーワード | 薬物乱用防止 / 国際比較 / INTERVENTION / 予防教育 / 疫学 / 治療・更正・福祉システム / 法体系 / データベース |
研究概要 |
平成4年度は欧米各国の薬物乱用の実態とその予防、治療および福祉更正システムについて調査研究し、以下の結果を得た。 [アメリカ] (1)アメリカの違法薬物使用者は1979年の13.7%から1991年の6.2%に減少し、ことに若年齢層の減少が著しい。これは薬物乱用予防教育による介入の効果と考えられている。しかし、1991年の違法薬物使用者は12,600,000人と依然深刻な状況にある。(2)アメリカの薬物乱用防止策は国家薬物管理政策局(ONDPC)のもとに統一され、違法薬物の国内への供給の抑制(Supply Reduction)と薬物需要の抑制(Demand Reduction)が防止対策の二つの柱となっている。アメリカのシステムでは薬物乱用に現実的かつ機能的に対応するために異なった機関が有機的な連携を持って組織されている。研究面では学際的協力が重視されている。(3)薬物乱用の予防には教育の役割が重視されている。そこでは知識教育に加えて、行動科学的理論にもとづいて薬物乱用を避ける技法(Skill)、自らの健康を守るための意思決定(Decision Making)の方法についての教育が行われている。 [スウェーデン]スウェーデンでは薬物乱用防止は総合的な社会健康福祉システムの一環として位置づけられ、個人の主体性が重視される。薬物乱用者の治療・更正にも個人の意思が尊重される。 [WHOの薬物乱用防止戦略] WHOは世界の薬物乱用に関する正確な情報提供と有効な予防のためのStrategyの確立に努力しているが、薬物乱用は現代の国際化、都市化、情報化と不可分であり、また貧因、民族間の粉争などによる社会システムの破綻などと深くかからるため極めて因難な作業となっている。また、WHOの薬物乱用防止戦略はADIS予防と強い関連を持つ。
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