研究課題/領域番号 |
04041056
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大原 興太郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (70024586)
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研究分担者 |
ピラス サロケ アジア工科大学院, 準教授
田中 耕司 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (10026619)
堀尾 尚志 神戸大学, 農学部, 助教授 (00031229)
タムロン プレンプリディ ランシット大学, 工学部, 教授
法貴 誠 三重大学, 生物資源学部, 教授 (00024589)
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キーワード | 在来農法 / 農具 / 適性技術 / 流通過程 / 農作業 / 自然生態系 / 新技術 / 普及 |
研究概要 |
平成4年度は情報の少ないラオス農業を大略把握しようとし、以下のような知見が得られた。 1)ソ連のペレストロイカやヴェトナムのドイモイ政策をならって1986年から新経済機構(解放政策)をとってきたラオスは、農業においても新品種の導入、化学肥料の投入、機械の利用など在来農業に変化の兆しが生まれている。 2)年々の作物収穫面積の8割は米という全く米依存の経済であるが、1991年の米収穫面積56万haの4割は森林破壊として問題にされている焼き畑の陸稲である。90年より政府は森林伐採を禁止したので山地民の生活は苦しくなっている。 3)耕作用の農具は伝統的な野刀、シアム(掘り棒の改良されたもの)、鎌、平坦部の鍬、牛・水牛用の犂などである。ビエンチャン周辺でタイ製の耕耘機などがみられるほか、農業機械は少ない。 4)農具はほとんど伝統的な鍛冶屋で生産されており、ヒツ部分の鍛造がたいへんな鍬は中国やタイから輸入されている。 5)農家は米以外に鶏、牛、豚、などを飼い、野菜、豆、いも、キャッサバなどを作って自給経済を支え、自給の余りを朝市などにもっていき、わずかの現金を得ている。 6)農民は地形や土質など自然生態系の条件に合わせて、施肥管理や2期作を行っている。 7)政府は新技術の投入などの農業近代化を進めるため、普及体制等の整備を図りつつあり、展示圃などで具体的に新技術を普及させることが課題になっている。 8)調査隊はフィールド調査の知見を中心に、バンコクで「農具と農法発展」に関する第4回国際セミナーに各自論文をもって参加し、東南アジアの研究者と研究交流を深めた。
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