研究分担者 |
HARRIS Phiri ザンビア水産研究所タンガニイカ湖支所, 研究員
幸田 正典 大阪市立大学, 理学部, 助手 (70192052)
仲谷 一宏 北海道大学, 水産学部, 助教授 (00002353)
西田 睦 琉球大学, 理学部, 構師 (90136896)
山岡 耕作 高知大学, 農学部, 助教授 (20200587)
堀 道雄 和歌山医科大学, 助教授 (40112552)
川那部 浩哉 京都大学, 理学部, 教授 (60025286)
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研究概要 |
1.タンガニイカ湖のザンビアおよびブルンジ沿岸の地理的に離れた17の岩礁域で,魚類群集のセンサス・行動観察・標本採集を行い,群集間の種組成の違い,各魚種の分布パターン・相対密度の違い,形熊的色彩的地理的変異を調査した。その結果,群集間の変異が予想以上に顕著であると同時に,各群集が種間関係を軸とする固有の特性をもつことが判明した。 2.魚類群集の大半を占めるカワスズメ科魚類では,繁殖場所のサイズ・形状がしばしばその魚類の繁殖形質,配偶システム,保護行動,性的二型の決定要因になっていることがこれまでの調査で明らかになっている。今回の調査では,異なる個体群の同一種が異質な繁殖場所を利用している場合があること,そして繁殖場所サイズの違いに応じて雌の成熟サイズが大きく異なり,雌の群集内におけるニッチにまで違いが生じていることが実証された。 3.タンガニイカ湖カワスズメ科魚類の約2/3の種は口内保育魚である。親の口腔が単なる子の収容場所であるだけではなく子の安全な摂餌場所にもなっている種がかなりいることが解ってきた。口腔の多彩な利用方法の発達は,同湖における繁殖場所をめぐる熾烈な種間競争と無縁ではないことが示された。 4.付着藻類魚の摂餌ナワバリをめぐる,競合的であると同時に協調的・相互依存的な種間関係がこれまでの調査で浮き彫りにされている。今回の調査では,ナワバリという様式での餌資源独占とそれに対する資源強奮の手段としての集団形成があらたな種間関係としてクローズアップされ,定量的データを集めた。 5.系統分類学的研究のため140種余りの魚種約44個体を採集した。近々,主要な標本の計測を完了し,未記載種および地理的品種の記載を行う。
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