研究分担者 |
李 龍雲 中国社会科学院, 日本研究所, 研究員
春原 亘 新潟大学, 農学部, 教授
清成 忠男 法政大学, 経営学部, 教授
桂木 健次 富山大学, 教養部, 教授
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研究概要 |
平成2〜3年度の桃源県における調査の際に得ていた情報に基づき,今回の調査対象地を,武陵源区の張家界と索溪峪の農村地帯にしぼり,平成4年10月〜11月と平成5年3月に,下記の項目を重点に,現地調査を実施した。 1.武陵源区の社会・経済の基本状況と,地域開発・観光開発にかかわる行政の動向。 2.張家界の絶景を″目玉″とした巨大な観光開発事業の現況と今後の行方。 3.開発に伴なって〓起されるさまざまな変容。 (1) 農村と農業,住民生活と住民意識 (2) 環境の諸相への影響 湖南省科学技術委員会,大庸市人民政府,武陵大学,中国科学院長沙農業現代化研究所生態研究室,各機関の協力によって得た結果の概要は次のとおりである。 1)″秘境″とされてきた湖南省奥地の少数民族居住地域にも改革開放政策の影響が大きく及び始め,猛烈な建築ラッシュ,商業活動の過熱ぶりがすさまじく,観光客は年間100万人を超えている。 2)そのことにより住民生活・住民意識が激変しつつある。市場経済に巻きこまれていく農家の事例を索溪峪鎮,双峰村,文風村のトウチャ族(土家族)の農家調査で見た。 3)環境破壊,環境汚染の現況を武陵大学旅游学科の学生たちとゴミ拾いを実践することによって確認。一方,長沙農業現代化研究所生態研究室の王鵠生室長の協力により,植生調査の結果を得た。 上記の結果にひきつづき,平成5年度は,調査対象農村を張家界村,天子山鎮にまで広げ,さらに多くの事例を収集して問題点を整理したい。
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