研究概要 |
国立科学博物館動物研究部の松浦啓一主任研究官,窪寺恒己主任研究官,九州大学理学部の松隈明彦助教授が平成4年11月16日〜12月24日まで,国立科学博物館の武田正倫動物第三研究室長と町田昌昭動物第四研究室長が平成5年1月11日〜2月12日まで,インドネシア・アンボン島に滞在し,インドネシア国立海洋開発研究センターの研究者3名の助力を得て,魚類,棘皮動物,軟体動物,魚類寄生虫および十脚甲殻類の調査と採集を行なった。各動物群とも,多数の標本を採集して国立科学博物館に持ち帰り,現在は標本化が進められている状熊である。一部の標本についてはすでい同定が行なわれ,論文として発表が検討されている。 いずれの動物群い関しても,漁獲対象種以外のインドネシア浅海域における生息と分布調査は従来あまりにも不十分であった。このような観点から,今回の魚類寄生虫および共生性十脚甲殻類の分類および分布に関する研究の成果は期待される。ヒトデ,クモヒトデおよび貝類について,全体をまとめて扱った。「動物相」としての報告が予定されている。 次年度においてはインド洋沿岸において調査を行なう予定で,インドネシア側研究者との打ち合せも行なわれている。インドネシア側研究者の本年度の応接は十分で,その結果,アンボン島における調査は実り多いものであったが,その動物相がインドネシア東部を代表するものとして,次年度のインド洋沿岸の動物相と単純に比較してよいものかどうかを,関係者性全員で検討する予定である。
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