研究分担者 |
PICH Keo プノンペン国立博物館, 館長
関根 俊一 奈良国立博物館, 学芸課, 主任研究官 (80154649)
木村 法光 宮内庁正倉院事務所, 保存整理室, 室長 (50336723)
東野 治之 大阪大学, 教養部, 助教授 (80000496)
岡田 健 東京国立文化財研究所, 美術部第一研究室, 研究員 (40194352)
今井 敦 東京国立博物館, 学芸部東洋課中国美術室, 研究員 (50193644)
伊藤 嘉章 東京国立博物館, 学芸部工芸課陶磁室, 研究員 (80213099)
松本 伸之 東京国立博物館, 学芸部東洋課インド南東アジア室, 研究員 (30229562)
加島 勝 東京国立博物館, 学芸部法隆寺宝物室, 研究員 (80214295)
澤田 むつ代 東京国立博物館, 学芸部法隆寺宝物室, 研究員 (40215918)
加藤 寛 東京国立博物館, 資料部資料第一研究室, 室長 (70161114)
浅井 和春 東京国立博物館, 学芸部法隆寺宝物室, 室長 (60132700)
大隅 晶子 東京国立博物館, 学芸部企画課普及室, 室長 (60176881)
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研究概要 |
1.研究の進展状況 本年度は,主として(1)タイ・カンボジア・ラオス・インドネシア・マレーシアの作品に関する文献史・資料及び写真資料等の収集整理,(2)彫刻,工芸,交渉史の各分野に関する研究成果の報告と情報交換のための国内での研究会,(3)上記5ケ国における現地調査(調査研究実績の項に記載)をそれぞれ行ない,いずれも円滑に進捗している。 2.新たに得られた知見 (1)彫刻関係では,タイとカンボジアの国立博物館や寺院に所蔵される石仏,金銅仏,押出仏,〓仏のなかに,法隆寺献納宝物中の金銅仏や押出仏の様式源流となる遺品を多数見いだすことができた。(2)木・漆工関係では,正倉院宝物の漆胡瓶との関連で,タイで籃胎漆器の竹の巻き上げ技法解明にかかわる技術を見出した。同じくタイで,法隆寺・正倉院両宝物中の撥鏤関係遺品として,8世紀代の撥鏤製櫛の所在を確認した。(3)染織関係では,タイやラオスで法隆寺・正倉院両宝物中に含まれる広東裂と密接に関連する多色の絣織や人物,象などの文様を確認した。さらにタイ・ラオスとも,現代の寺院荘厳に用いられる幡に,法隆寺・正倉院両宝物の幡と関連する形式の幡があることを確認した。(4)金工関係では,ジャカルタ中央博物館で1990年にインドネシア中部ジャワのウオノボヨで発見された8〜9世紀に遡る数百点に及ぶ膨大な金銀製品を調査し,とくに水瓶や鋺,香炉などは,法隆寺・正倉院両宝物中の仏具の源流を考えるうえで見逃せない重要な作品群とみなされた。(5)交渉史関係では,文献から遅くとも7世紀後半には現在のインドネシアのスマトラ島パレンバン付近に建国していたと推定されるシュリーヴィジャヤ王国について,ジャカルタ中央博物館所蔵の碑文を調査することにより文献史的側面からの足がかりを固めることができた。
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