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1992 年度 実績報告書

ボルネオにおける社会経済変動と文化的適応

研究課題

研究課題/領域番号 04041114
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

宮本 勝  国立民族学博物館, 第2研究部, 助教授 (40110085)

研究分担者 AWANG Hasmad  マレーシア国民大学, 社会科学人文学部, 助教授
PATRICIA Reg  サバ博物館, 館長
MATUSSIN Oma  ブルネイ博物館, 館長
PETER Kedit  サラワク博物館, 館長
佐藤 浩司  国立民族学博物館, 第4研究部, 助手 (60215788)
内堀 基光  一橋大学, 社会学部, 教授 (30126726)
染谷 臣道  九州工業大学, 情報工業学部, 教授 (20091548)
キーワードボルネオ / サバ / ブルネイ / サラワク / 社会経済変動 / 文化的適応 / 法文化 / 物質文化
研究概要

本研究は、国家規模の社会経済変動に対して、ボルネオの諸民族が法文化、言語世界、物質文化・技術体系、価値志向をいかに適応させてきたかを明らかにしようとしている。
宮本およびパトリシアは、サバ州トゥアラン地区に伝統的なアニミズケの保持者、キリスト教徒、イスラーム教徒の混在する農村があることを確認した。これらの農村にはドゥスン固有法、キリスト教法、国家・州法、イスラーム法が併在し、複雑な法文化・価値体系が形成されており、物質文化の面では異なる技術体系が柔軟に受容されてきた。同様の状況はピタス地区でも見られた。
内堀およびマトゥシンは、中央政府がイスラーム化政策を促進してきたブルネイのトゥトン地域でも、イバン族のイスラームへの改宗が近年急速に進みつつあり、キリスト教の影響が強いサラワク州のイバン族とは法文化、技術体系の状況が異なることを確認した。これらの事例は、政治環境の相違によって同一民族の適応形態がかなり異なることを示唆している。
また佐藤、ピーター、アワンは、サラワク州のスマタン、リンバン、スリアマン、シブ各地域における調査を通じて、ロングハウスを保持する民族(スコラ族、イバン族など)とマレー風の個別住居に移行した民族(オラン・ウルのムルット族、ムラナウ族など)があり、民族的なアイデンディティの違いも、政治・経済的な環頼に対する文化的適応形態の差を生み出すことを発見した。
染谷は、サバ州におけるジャワ移住民の調査から、同州の社会経済に対して彼らが果たした役割は極めて重要であり、移住先の異民族との調和的共存を目指す戦略のうちに、自らの伝統的な価値体系や言語体系を巧妙に駆使する側面が見られることを確認した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 宮本,勝: "ルングス族の儀礼と法-東マレーシア・サバの法文化研究ノート" 『農耕の技術と文化』創美社. (1993)

  • [文献書誌] 内堀,基光: "カゲのこと" 『92年アセアン文化祭ブックレット』国際交流基金アセアン文化センター. (1992)

  • [文献書誌] 内堀,基光: "民族の消滅--サラワク・ブキタン族の民族論的状況" 黒田悦子編『民族の出会うかたち』朝日選書(出版予定). (1993)

  • [文献書誌] 佐藤,浩司: "さまよえる狩猟採集民" 民博通信. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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