研究課題
1.タンザニア北部、イラク農村社会において和田正平は、女性だけが結集し、数日間にわたりサバンナで挙行される伝統的な雨乞い儀礼を中心に調査を行なった。タンザニア南部では栗田和明が、ニャキュウサ農村社会において、女性が講集団をつくりトラックをチャーターして農産物を都市の市場まで運搬販売する経済活動について調査をすすめることができた。なお栗田はマラウィで日本調査隊として初めて調査許可を取得し、準備調査を行なうことができた。2.カメルーン北部、マルワの都市居住フルベに関して江口一久は、「女性/男性」の性差がどのように表現されているのか、言語民族誌的調査を実施した。カメルーン北西部は政情不安で調査条件が悪かったが、端信行は都市部および農村部における生業形態の男女間の分業との関係を中心に調査を行なうことができた。3.ザンビア東部、チェワ農村社会において吉田憲司は、男性だけで構成される仮面結社ニャウと、女性だけが営む成人儀礼チナムワリとのあいだの構造的関係とその現代的な変化に焦点をあてて調査を行なった。その結果、両者がチェワ社会における社会的性差(ジェンダー)の表現というより、むしろその性差を生み出す機構として作用していることが明らかになった。4.ガーナ南部、州都クマシにあるアシャンティ王宮を中心に阿久津昌三が、王と王母が主宰する伝統的な評議会に関して参与観察を行なった。親族と結婚、市場の粉争等の家政的な領域の諸問題は、王国の評議会で取り扱われている。5.タンザニア東部において、B.イタンダーラはザラモ女性の都市進出について、またカメルーン北西部において、B.パイアスはマンコン王国における王母、王妃、王女等の関係について調査をすすめている。
すべて その他
すべて 文献書誌 (10件)