研究課題
1.タンザニア北部では、和田正平がイラク人の女性のみで挙行される儀礼の調査を行なった。タンザニア南部では、栗田和明がニャキュウサ人の女性の訪問関係を調査し、近隣での相互扶助活動から国外への移住までつながる一連の空間利用を、性差の観点からの記述すべく試みた。栗田が当初予定していたマラウィでの調査は、1994年中の選挙前で、役所にも混乱がみられるため、今回は定住しての調査は見送った。タンザニア東部ではイタンダーラが、中心都市のダルエスサラーム周辺の村に住むザラモ女性の都市進出について、いくつかの村を比較しながら研究を進めた。2.ザンビアでは、吉田憲司が、近年急速に進展したキリスト教受容における女性の役割に注目して調査を行なった。3.小川了はセネガル、およびカボ・ベルデで、非公共部門での経済活動に従事する女性を調査した。この部門で働く女性は最底辺での労働をするものが多いが、彼女らは、同業者あるいは地域住民同士で頼母子講を形成して、都市での相互扶助、および新しい形の連帯組織を形成しつつある。4.小馬徹はケニア西部のキプシギス社会での女性の研究に従事し、女性のグループによる生活改善、子息の教育への相互扶助の実態を示した。
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