研究課題/領域番号 |
04042015
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | がん調査 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高月 清 熊本大学, 医学部, 教授 (80026830)
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研究分担者 |
GESSAIN Anto パスツール研究所, ウイルス疫学部, 研究員
FRANCHINI Ge 米国国立衛生研究所, 腫瘍細胞生物学研究部, 研究員
坂田 研明 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (60225795)
山口 一成 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (20128325)
FRANCHINI Genoveffa National Cancer Institute, USA
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | HTLV-I / ATL / HAM / TSP / ぶどう膜炎 / メキシコ / キューバ / ブラジル |
研究概要 |
I.研究背景 Human T lymphtropic virus typeI(HTLV-I)の感染は成人T細胞白血病(ATL)の発症とともにHTLV-I関連疾患(HAM/TSP、ぶどう膜炎、関節炎、慢性気管支炎、シェ-グレン症候群など)を起こすことが日本を中心とした研究で明らかになっている。仏パスツール研究所、米国NIHの協力を得ながらメキシコ、キューバ、ブラジルにおけるHTLV-I関連疾患の実態を調査した。 II.研究成果 1)メキシコにおけるHTLV-I感染とHTLV-I関連疾患 メキシコではユカタン半島・メリダ市とメキシコ市の二ヶ所で実態調査を行なった。ユカタン半島では合計2277名の血清サンプルの検査を完了し、14名が陽性であった。一般健康住民では0.3%(6/1821)、女性prostituteは3.6%(6/168)が陽性であった。その後これらの陽性血清がHTLV-IかIIであるかが問題となり、米国のグループとの共同研究により一部はII型であることが判明した。さらにユカタン半島からATLの第一例目が報告された。一方首都メキシコ市での調査は、サンプル数1,884検体(健康住民1100、血液疾患170、神経疾患59、HIV感染者70、癌患者73など)で行われたが、HTLV-I/IIは全て陰性であった。 2)キューバにおけるHTLV-I感染とHTLV-I関連疾患 キューバはカリブ海諸国中最大の人口(1060万人)を持つにもかかわらず、これまでヒトレトロウイルス感染症、特にHTLV-I/IIの感染状況ははっきりしなかった。我々はハバナ市にある国立血液・免疫研究所との共同研究を行なった。合計2429サンプル(献血者1600、患者829)の検査で、最終的に一例の輸血歴のある巨核芽球性貧血の患者だけが抗体陽性と確認された。その後キューバからもATL患者の一例の報告がなされている。 3)ブラジルにおけるHTLV-I感染とHTLV-I関連疾患 すでに我々の予備調査でブラジルには80万人近いHTLV-Iキャリアが存在するものと推定されており、ブラジルは日本、カリブ諸国に次ぐ多発地域であることがわかっている。今回の調査はサンパウロ近郊にあるMogi das Cruzes大学との共同研究として行われた。全サンプル数は870、その中でHTLV-I陽性は30(3.5%)であった。主な内訳は献血者および妊婦2/204、HIV感染者5/46、日系人(一世および二世)、7/57(12.3%)、TSP9/20(45%)などである。ブラジルにはHIVとHTLV-I、あるいはHTLV-IとIIとの重感染の症例などが多く、興味深い知見が得られるものと思われる。また糞線虫症感染なども多く、わが国との比較も興味深い。リオデジャネイロ、サンパウロを中心に40名以上のATL、50名以上のHAM/TSPが既に報告されており、これらの患者との比較も重要である。 III.まとめ 我々が調査した中ではブラジルがHTLV-I感染者および患者も多く、今後の共同研究の場としては適当であると思われる。
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