研究課題/領域番号 |
04044021
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 四郎 東北大学, 工学部, 教授 (10026198)
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研究分担者 |
空閑 重則 東京大学, 農学部, 助手 (60012051)
宇山 浩 東北大学, 工学部, 助手 (70203594)
正田 晋一郎 東北大学, 工学部, 助教授 (10143364)
MALCOLM Brow テキサス大学オースチン校, 植物学科, 教授
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キーワード | セルロース / 非生合成経路 / 生合成経路 / 酵素触媒重合 / セルラーゼ / フッ化β-D-セロビオシル / 光学顕微鏡観察 / 電子顕微鏡観察 |
研究概要 |
セルロースは地球上に最も豊富に存在する人類にとってかけがえのない再生産される貴重な有機資源である。本研究の目的はセルロースの生成機構を、非生合成経路と生合成経路との両面から日米間の国際協力を通して総合的に解明することにある。 1.酵素触媒重合モノマー、フッ化β-D-セロビオシルの合成 セロビオースオクタアセタートを出発原料とし、プロモ化、フッ素化、アセチル基の除去を行うことにより、モノマーであるフッ化β-D-セロビオシルを大量合成した。 2.セルラーゼによるフッ化β-D-セロビオシルの重合条件の最適化 フッ化β-D-セロビオシルのセルラーゼ触媒による重合条件を詳細に検討した。その結果、重合を有機溶媒-水系で行う、目的とする重合反応が効率よく進行し、合成セルロースが収率良く得られることが分かった。 3.合成セルロースの形態観察 研究分担者がブラウン研究室(テキサス大学オースチン校)に約2週間滞在し、フッ化β-D-セロビオシルの-酵素触媒重合によるセルロース合成を光学顕微鏡下で試みた。その結果、合成セルロースが反応開始から30分以内に球晶を形成することを明らかにした。また、合成セルロースの初期過程を電子顕微鏡で観察したところ、反応開始から30秒以内に合成セルロースと触媒セルラーゼの複合体の生成を確認した。これらは、明確な反応によってセルロースが生成する過程を観察した初めての例である。ブラウン教授は、約2週間日本に滞在し、高分子化学的手法に関する資料収集を行うとともに、盛岡で開かれた第41回高分子討諭会に出席し、特別講演を行うことにより、セルロース生合成に関して多くの研究者に有益な情報をもたらした。
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