研究分担者 |
J Agren 王立工科大学(スウェーデン), 金属系, 教授
G Inden マックスプランク研究所(ドイツ), 鉄鋼研究所, 教授
N J Saunders Thermo Tech(株)(連合王国), 社長
A P Miodowni サレー大学(連合王国), 工学部, 教授
大谷 博司 東北大学, 工学部, 助手 (70176923)
石田 清仁 東北大学, 工学部, 助教授 (20151368)
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研究概要 |
本研究は、Ni-Al-Ti基合金に出現するβ(B2),β'(L2_1),γ'(L1_2)の金属間化合物をマトリックスとした耐熱合金の開発を目的とするが、十分な靱性を得るためにはこれらの系に存在する相の平衡関係を明らかにし、それに基づいた組織制御を行う事が必要である。本年度は基本系であるNi-Al-Ti3元系のA150at%以下の相平衡を実測し、金属間化合物γ',β,η,β'各相を副格子モデルによって自由エネルギーを記述することにより、この系の状態図を任意の組成、温度の断面で計算できるようになった。また延性を改善するための有効な添加元素として考えられるFe,Co,Crについて、その組織を制御するための不可欠基礎資料としてのNi-Al-Fe及びNi-Al-Co各3元系の相平衡について実測し、γ,γ',β各相の安定領域がほば明らかになった。 以上の研究の過程で、(1)Ni-Al-Ti3元系のβ_1(Nial)+β'(Ni_2AlTiは非常に脆いが、β_2(NiTi)+β'(Ni_2AlTi)はかなり靱性が改善される組成である。(2)Ni-Al-X系のγ'+β領域は従来極めて脆考えられていたが、Feの添加によって、延性も出来、室温の延性も有する組成領域が存在する事がわかった。すなわち、1300℃近傍の高温のβ+γ2相領域は良好な熱間加工性を有し、その後800〜1000℃で熱処理を施す事によって、γ'+β合金を作成する事が出来、室温では5〜8%の良好な延性を有する事がわかった。 以上いづれの点も、本研究で新たに得られた重要な知見と孝えられ、さらに詳細な検討を行う予定である。
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