研究課題/領域番号 |
04044027
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
広瀬 忠樹 東北大学, 理学部, 教授 (90092311)
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研究分担者 |
M J A Werger ユトレヒト大学, 生物学部, 教授
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キーワード | 草原植物群落 / 多種共存系 / 生産構造 / 葉面積指数(LAI) / 光分布 / 乾物分布 / 葉面積比(LAR) / コストベネフィット分析 |
研究概要 |
1.平成4年6月-8月に、オランダのユトレヒト大学に滞在し、以下の草原群落において調査研究を行った:ライン川河川敷草原、ユトレヒト近郊牧草地、リンブルフ石灰性草原およびその栄養添加実験区、ユトレヒト近郊湿地草原。群落内光分布・葉面積分布・乾物分布の解析により、多種共存の機講に関して新しい理論を生むことができた。一般に、群落内には光環境(光量子フラックス密度、PPFD)の大きな勾配が発達するので、異なる層位を占める種にとって利用できるPPFDに大きな相違がある。PPFDは植物にとって最も重要な資源のひとつである。植物が吸収する光量子フラックス(PPF)は群落内で上層を占める種ほど大きいが、地上部乾物重量あたりに吸収するPPFはかならずしも大きくはない。地上部乾物量をPPFを吸収するために投資されたエネルギーコストとみなせば、植物(葉)が吸収したPPFはベネフィットになる。いま両者の比(ベネフィット/コスト)としてΦmassを定義すれば、これは植物にとって地上部への投資効率を表わす。ΦmassはLAR(地上部乾物量あたりの葉面積の比)とΦarea(葉面積あたり吸収するPPF)の積である。Φareaは群落上部を占める種ほど大きいが、LARは下層を占める種ほど大きい。したがって、両者の積としてのΦmassは下層を占める種で大きくなりうることが明らかになった。 2.平成4年6月から7月にかけて3週間、熱帯南アメリカの植物群落構造の比較研究に参加し調査を行った。 3.多年生草本イタドリとカリヤスモドキの実験群落をつくり広葉型とイネ科型の、あるいはC3植物とC4植物の群落構造と群落光合成における窒素利用効率の比較研究を行った。
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